食品添加物は私たちの健康に良くないイメージがあるのに、どうして使われるのでしょうか?
料理には欠かせない調味料の原材料はシンプルなものが多いですが「/」の表記があれば添加物が使われています。いい食材を選んだら調味料も無添加でおいしいものを選びたいですよね。
しょうゆメーカーやスーパーで買えるものも含めた、おすすめの無添加しょうゆをご紹介します。
- 食品添加物を使う目的
- しょうゆの原材料と食品添加物
- しょうゆの原材料【大豆】にも種類がある
- しょうゆ加工品は原材料をよく見て
- おすすめ無添加しょうゆ①イチビキ「無添加国産しょうゆ」
- おすすめ無添加しょうゆ②フンドーキン「無添加丸大豆生しょうゆ」
- おすすめ無添加しょうゆ③無印良品「天然醸造 丸大豆醤油 こいくち」
- おすすめ無添加しょうゆ④トップバリュ グリーンアイ「オーガニック 特選 丸大豆しょうゆ」
- おすすめ無添加しょうゆ⑤海の精「こいくち醤油(国産有機)」
- おすすめ無添加しょう油⑥キッコーマン「特選有機しょうゆ」
- おすすめ無添加しょうゆ⑦ヤマサ「特選有機しょうゆ」
- おすすめ無添加しょうゆ⑧井上醤油店「古式じょうゆ」
- まとめ:原材料にこだわるしょうゆは添加物を使わない
食品添加物を使う目的
食品添加物とは、保存料・甘味料・着色料・香料など食品の製造や加工・保存が目的で使用されるものです。
- 菌の繁殖や酸化による変色などを防ぐ
- 味や香り、食感を良くする
- 栄養価を高める
使用される食品添加物は、安全性やその有効性を厚生労働大臣が認めたものだけであり、品質や使用量についても基準が定められています。
しょうゆの原材料と食品添加物
しょうゆの基本の原材料は「大豆」「小麦」「食塩」です。
しょうゆは添加物を加えなくても1年半〜2年(開封前)は日持ちするものですが「アルコール」「調味料(アミノ酸等)」「酸味料」が添加されているしょうゆもあります。
アルコールの役割
しょうゆにアルコールを加える理由は白カビの発生を防ぐためです。この白カビの正体はしょうゆ作りに欠かせない酵母菌なので、体内に入っても問題はありません。「酒粕」「エタノール」と表記されていることもあります。
しょうゆはアルコールを加えなくても、製造過程でアルコールが発生します。濃度を上げることで、風味や香りが落ちるのを防いだり、開栓後の保存性を高める役割もあります。
アルコールの危険性
しょうゆに添加されるアルコールは品質を保持するために使われることがほとんどで、大量でなければ私たちの健康を害するものではありません。
しかし安く販売するためにアルコールを使用していることもあるため、アルコールが入っていないものを選ぶ方が安心です。
調味料(アミノ酸等)の役割
添加物としての調味料には「アミノ酸」「核酸」「有機酸」「無機塩」の4つがあり、かつお節やこんぶなどからうま味成分を抽出または生成したものです。このうち2つ以上を使用したときは、1番多く使用している調味料のあとに「等」をつけて表示します。
うまみ成分には酸味や苦味をやわらげ味をととのえたり、素材本来の味を引き出す役割があります。
調味料(アミノ酸等)の危険性
調味料(アミノ酸等)は「体に悪い」や「味覚障害になる」と言われていますが、健康被害の報告や科学的な根拠は今のところありません。
調味料(アミノ酸等)のうま味成分が食品を「おいしい」と感じさせるため、知らず知らずのうちに塩分や糖分の取り過ぎになっています。コンビニのおにぎりやお弁当、スーパーのお惣菜、スナック菓子などほとんどの食品に使用されている調味料は、過剰摂取にならないように注意が必要です。
酸味料の役割
酸味料には酸味を加え後味をすっきりさせたり、風味と香りのバランスをととのえる役割があります。酸味料によって酸性になることで菌の繁殖が抑えられ、品質を安定させる効果もあります。
酸味料の危険性
酸味料は20種類以上あり危険性も異なりますが、「酸味料」との一括表示が認められているためどの酸味料が使われているのか、私たち消費者にはわかりません。
酸味料によってはカルシウムの吸収を妨げたり骨や歯を溶かす可能性があるもの、人体や健康への安全性が確立されていないものがあります。酸味料は清涼飲料水や加工食品に多く使用されており、食べ過ぎには注意が必要です。
しょうゆの原材料【大豆】にも種類がある
しょうゆの原料である大豆には「丸大豆」と「脱脂加工大豆」があります。大きな違いは油分の有無です。また原材料の大豆にかっこ書きで「遺伝子組換えでない」の記載もよく見かけます。
それぞれの大豆のメリット・デメリットを見てみましょう。
丸大豆
丸大豆とはそのままの大豆のことです。丸大豆から作られたしょうゆはまろやかな風味と深いコクが特徴です。
【メリット】
- 丸大豆を使うしょうゆは国産が多く、生産者の顔や育った環境が見える。
- 製造過程で出る大豆の油分が酸化を遅らせてくれるため、品質が落ちにくい。
- 熟成に長い時間はかかるが甘みを持った油が溶け込み風味や香りがよくなる。
【デメリット】
- 日本国内の大豆生産量が少ないため、しょうゆの価格が高くなる。
- うま味の指標となる窒素の高いしょうゆを作るには、特別な設備が必要。
脱脂加工大豆
脱脂加工大豆とは、丸大豆から油分を取り除いたもので、うま味になるたんぱく質が多く含まれています。「丸大豆」の表記がないものは脱脂加工大豆で作られたしょうゆで、うま味と香りの強さが特徴です。
【メリット】
- 製造にかかる時間が短いなど、生産効率がいい。
- 原料費が安いため、できあがったしょうゆの価格も安くなる。
- 絞った油分は食用油として商品になったり、マヨネーズやマーガリンの材料となるなど有効活用できる。
【デメリット】
- 原料となる大豆は輸入が多いため生産者の顔が見えにくい。
- うま味の指標となる窒素が日本農林規格で定められている量よりも多く含まれるため、水で薄められ、味を整えるために食品添加物が使用される。
遺伝子組換え大豆
遺伝子組換え大豆とは、除草剤の影響を受けて枯れないように改良された品種です。
有害ではないということが厚生労働省から発表されていますが、世界では健康被害の報告もあり、日本の消費者が持つイメージはよくありません。
【メリット】
- 農薬(除草剤)や病気に強くなる。
- 収穫量が増える。
- 生産コストが抑えられる。
【デメリット】
- 遺伝子を組み換えることは自然の摂理に反しているため、生態系や環境に影響を及ぼす可能性がある。
- 健康被害への不安がある。
しょうゆ加工品は原材料をよく見て
しょうゆ加工品と聞くと「しょうゆに似せて作ったしょうゆ」と誤解されるかもしれませんが、しょうゆに味を足したものです。
日本農林規格でしょうゆの原材料として定められているもの以外を加えたしょうゆは「しょうゆ加工品」と表記することが決められています。
しょうゆにかつお節やこんぶのだし、醸造酢やみりんを加えたしょうゆ加工品は食事の幅を広げる調味料としては有用ですが、アルコールや食品添加物が使用されているものが多いです。
しょうゆ加工品の原材料
代表的なしょうゆ加工品である「だししょうゆ」「さしみしょうゆ」「ポン酢しょうゆ」の原材料を調べてみましたが、食品添加物が使用されています。
【キッコーマン】だししょうゆ こい色しょうゆ仕立て
- しょうゆ(大豆・小麦を含む)(国内製造)
- ぶどう糖果糖液糖
- 砂糖
- 食塩
- かつお節エキス
- みりん
- ほたてエキス
- 酵母エキス
- にぼし
- 昆布
- アルコール
- 調味料(アミノ酸等)
- 酸味料
【ヤマサ】さしみしょうゆ
- 脱脂加工大豆(アメリカ製造又はインド製造)(遺伝子組換えでない)
- 小麦
- 食塩
- みりん
- 醸造酢(小麦を含む)
- 大豆(遺伝子組換えでない)
- アルコール
- 調味料(核酸)
【ミツカン】味ポン
- しょうゆ(小麦・大豆を含む)(国内製造)
- 果糖ぶどう糖液糖
- かんきつ果汁
- 醸造酢
- 食塩
- 調味料(アミノ酸等)
- 酸味料
- 香料
おすすめ無添加しょうゆ①イチビキ「無添加国産しょうゆ」
国産の材料にこだわりじっくりと熟成させたしょうゆは、まろやかな口当たりと深い香り、しょうゆだけでもごはんがすすむ美味しさです。
原材料 |
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賞味期限 | 1年6ヶ月 |
価格 | 482円(税別)/800ml |
食塩相当量(大さじ1杯(15ml)あたり) | 2.6g |
販売場所 | オンラインショップで購入可能
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おすすめ無添加しょうゆ②フンドーキン「無添加丸大豆生しょうゆ」
微生物の殺菌、色・味・香りをととのえる「火入れ」をせずにろ過した生しょうゆは、クセがなく食材本来の味を引き立てます。
そのまま使えば後を引く美味しさを、煮炊きすれば奥深い味わいを感じることができます。
原材料 |
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賞味期限 | 18ヶ月 |
価格 | 480円(税別)/720ml |
食塩相当量(大さじ1杯(15ml)あたり) | 2.1g |
販売場所 | 取り扱っているスーパーあり。オンラインショップで購入可能 |
おすすめ無添加しょうゆ③無印良品「天然醸造 丸大豆醤油 こいくち」
無印良品の「天然醸造 丸大豆醤油」を製造しているのは、兵庫県・但馬で100年以上続く「大徳醤油」。原料は国産にこだわり、保存料・添加物を使わず自然の力だけで発酵させる天然醸造のしょうゆは、風味豊かに仕上がっています。
原材料 |
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賞味期限 | 製造日から730日 |
価格 | 390円(税込)/200ml |
食塩相当量(大さじ1杯(15ml)あたり) | 2.6g |
販売場所 | 無印良品 |
おすすめ無添加しょうゆ④トップバリュ グリーンアイ「オーガニック 特選 丸大豆しょうゆ」
イオンのプライベートブランドであるトップバリュ グリーンアイは、安全・安心と自然環境への配慮にこだわった商品を取り扱うために創設されました。
原材料 |
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賞味期限 | 製造日より18ヵ月 |
価格 | 278円(税別)/450ml |
食塩相当量(大さじ1杯(15ml)あたり) | 2.5g |
販売場所 | トップバリュ商品を取り扱っているイオングループ
https://www.topvalu.net/company-group_howtouse/ |
おすすめ無添加しょうゆ⑤海の精「こいくち醤油(国産有機)」
海の精株式会社は伊豆大島の海水から塩を作っている製塩会社です。自社の塩「海の精」と有機大豆、有機小麦、全て国産で作られた「こいくち醤油」は深く贅沢な味わいです。
日本国内で有機栽培農家の普及率は高くないため、希少な材料を使用したしょうゆは高級品となっています。
原材料 |
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賞味期限 | 製造日より2年 |
価格 | 896円(税込)/300ml |
食塩相当量(大さじ1杯(15ml)あたり) | 2.2g |
販売場所 | オンラインショップで購入可能 |
おすすめ無添加しょう油⑥キッコーマン「特選有機しょうゆ」
キッコーマンの「特選有機しょうゆ」は原材料だけでなく、製造工程も含めて有機JASの認定を受けたしょうゆです。
原材料 |
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賞味期限 | 18ヵ月 |
価格 | 454円(税抜)/750ml |
食塩相当量(大さじ1杯(15ml)あたり) | 2.5g |
販売場所 | スーパーで購入可能 |
おすすめ無添加しょうゆ⑦ヤマサ「特選有機しょうゆ」
業界に先駆けて「有機」を取り入れたヤマサは、自然の恵みをたっぷり受けた素材にこだわり、じっくり発酵熟成させ有機しょうゆを作りました。
原材料 |
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賞味期限 | 1.5年 |
価格 | 324円(税抜)/500ml |
食塩相当量(大さじ1杯(15ml)あたり) | 2.4g |
販売場所 | スーパーで購入可能 |
おすすめ無添加しょうゆ⑧井上醤油店「古式じょうゆ」
身体にやさしい素材にこだわる井上醤油店の「古式じょうゆ」は島根産を中心とした国産の大豆・小麦を使用しています。
一般的なしょうゆに比べて大豆を2割も多く使用するので、旨味・風味・香りは格別です。
原材料 |
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賞味期限 | 2年 |
価格 | 930円(税抜)/720ml |
食塩相当量(大さじ1杯(15ml)あたり) | 2.4g |
販売場所 |
オンラインショップでも購入可能 |
まとめ:原材料にこだわるしょうゆは添加物を使わない
原材料にこだわるということは、素材そのものを活かしたしょうゆ作りだと考えます。有機大豆や有機小麦は厳しい検査をへて認定を受けているので、それらを使ったしょうゆに添加物などの余計なものは加えようと思わないですよね。
あらゆるものの製造技術が発達しても、しょうゆの製造熟成には平均2〜3年かけられています。こんなに長い時間をかけて作られていることを考えると、しょうゆは決して高くない調味料です。
かけられた手間と時間、作り手の思いに感謝しながら味わえば、さらに深く美味しいしょうゆになること間違いなしです♪