バターとショートニングは、どちらも料理やお菓子作りに良く使われる食品です。
スーパーでもショートニングは製菓コーナーでもよく見かけますが、ショートニングはバターの代用品として使えるのでしょうか?
結論をいうと、ショートニングはバターの代用品として使えない事はないです。
ですがその一方で、ショートニングとバターはそれぞれの役割が大きく異なっています。
今記事ではショートニングとバターの違いについて、またショートニングをバターの代用品として使う際の注意点についてご説明します。
ショートニングとは?
ショートニングは、植物油を原料とした人工脂肪食品です。
常温で保存出来る事が最大の特徴で、ケチャップやマヨネーズのようなチューブ型のプラスチック容器、もしくは瓶に入って売られています。
人工的に作られた食品なので、分類としてはマーガリンと同じになります。
ショートニングの目的は「サクサク感」を出す事!
ショートニングは「サクサクさせる・ポロポロさせる」という意味の、本来はラードの代用品として作られた人工食品です。
ラードは牛脂と誤解されやすいですが、正しくは豚脂(とんし)です。
ショートニングを使う主な目的は、揚げ油に入れて揚げ物をサクサクした食感にしたり、クッキーやなどの焼き菓子に入れてサクサクした食感にする事です。
また、パンを作る時にもショートニングは良く使われます。
バターとは?チーズとの違い
バターは、牛乳の油分を集めて作る自然の油分食品です。
チーズも同様に牛乳から作られる加工食品ですが、チーズは「カゼイン」という牛乳等に含まれる成分を集めて作られている食品です。
バターが高額である理由は「酪農家の保護」
バターはヨーグルトやチーズ等の他の乳製品と比べて、非常に高価です。
その1番の理由は、関税率です。
バターの関税率は35%と非常に高いです。
この高額な関税率の理由は、日本の酪農家の経営を保護する為です。
バターは水を加えると「還元乳」という牛乳風の飲み物が作れます。
海外の安価なバターが安易に輸入されて出回ってしまうと、還元乳が作られやすくなります。
還元乳が出回ってしまうと、本物の牛乳を生産している日本の酪農市場が大きなダメージを受けてしまいます。
それを阻止するために、国が海外製のバター輸入を規制しています。
併せて日本のバターでも還元乳が簡単に作れないように、高い関税をかけているので高額になっているのです。
バターを使う目的は「風味付け」をする為
バターは料理やお菓子に油分を加える事に併せて、独特の風味を付ける事が大きな役割です。
バターを入れる事でバターが持つ独特の風味とコクが、料理やお菓子に加わって美味しくなるのです。
ショートニングはバターの代用品になる?代用品にする際の注意点
ショートニングは無味無臭の食品です。
ですので、バターのような「風味」を付ける事は全く出来ません。
しかし以下の点に注意すれば、代用品として使用する事は十分に可能です。
バターを使うレシピでは作らない
バターとショートニングは使用分量が全く違います。
バターを使ったレシピにショートニングを使うと、ショートニングが入れ過ぎの状態になるので「脂っこい」「舌触りが悪い」といった失敗の原因になってしまいます。
ショートニングを料理やお菓子に使う場合は、ショートニングを使ったレシピを参考にしましょう。
サブレを作るのならショートニングは相性抜群!
ショートニングの最大の特徴は、「サクサク感が出る」事です。
サクサクとした食感のサブレクッキーを作りたい時は、バターよりもショートニングの方がよりサクサクした食感のサブレになります。
サクサクした食感を出したいパンを作る時にもショートニングは良く使われるものですが、しっとりとした食感のケーキ等を作りたい場合は、ショートニングは不向きです。
作りたいものによって、ショートニングを使うかどうか判断するようにしましょう。
風味付けを別の食品で補う
ショートニングは無味無臭の食品です。風味や味は一切無いので、バターのような風味豊かな味わいは全く出せません。
しかし他の食品を使えば、ショートニングには無い風味を料理やお菓子に加える事が出来ます。
手軽に風味付けが出来る食品は、料理なら醤油や味噌などの調味料・スパイス類がおすすめです。
お菓子ならバニラエッセンス・ナッツ・チョコレート・ココア・抹茶・レモン汁・ドライフルーツ・チーズ等が手頃です。
ショートニングは特徴さえ知ればバターの代用品として使えます!
ショートニングは、元々は豚脂の代用品として作られた人工食品です。
「サクサクにする」「ポロポロにする」という意味の名前で、サブレや揚げ物などサクサクした食感にしたい料理やお菓子に使うのに適した食品です。
バターの代用品としても使用は出来ますが、無味無臭なので他の食品でバター独自の「風味」を代わりに出すようにしましょう。
また、しっとりとした食感を出したい場合はショートニングは不向きです。
ショートニングとバターそれぞれが持つ特徴を理解して、うまく料理やお菓子に使い分けてくださいね!