子どもの時からおやつとして親しんできたプリン!
甘くてぷるんとした食感のプリンは、大人になってから食べても美味しいですよね。
しかし、カフェや喫茶店に行くと、パンナコッタやババロアなど、プリンとよく似たスイーツが別の名前で呼ばれていて、戸惑ったことがある人も多いのではないでしょうか。
パンナコッタとババロアは、見た目はプリンとそっくりですが、単なるプリンの別名なのでしょうか。それとも全く別のスイーツなのでしょうか。
この記事では、プリン、パンナコッタ、ババロアの違いを詳しく解説していきます。
パンナコッタとプリンの違い
プリンと見た目がそっくりなパンナコッタ。
「呼び方が2つあるだけで、同じスイーツのことなのでは?」と思ってしまいそうですが、プリンとパンナコッタは全く別物です。
プリンとパンナコッタの違いについて、詳しく見ていきましょう。
パンナコッタとは
イタリア発祥のスイーツであるパンナコッタは、「クリームを煮詰めた」という意味。
その名の通り、生クリームや牛乳、砂糖などを熱して、ゼラチンで固めて作ります。
イタリア北部のプエモンテ州の伝統的なスイーツで、キャラメルソースを添えて食べることが多く、これがプリンのカラメルソースと似ているため、間違われやすい原因となっています。
プリンとの違い
プリンとパンナコッタは、固め方が決定的に違います。
プリンは、材料に卵を使い、卵の凝固作用によって固めているのに対し、パンナコッタには卵が入っておらず、ゼラチンを使って固めています。
プリンを固めるためには、卵が凝固するまでしっかり蒸し上げる必要がありますが、パンナコッタは、ゼラチンが溶ける程度の短時間の加熱のみ。
固めるための加熱方法もまったく異なります。
また、プリンの発祥地はイギリス。「プディング」と呼ばれる蒸し料理にルーツがあります。
イタリアで生まれたパンナコッタとは違う国で生まれた、全く別のスイーツだということがわかりますね。
ババロアとプリンの違い
プリンとそっくりなもう一つのスイーツとして、ババロアが挙げられます。
ひと口食べてみれば食感の違いは明らかですが、見た目だけでは「同じスイーツなのでは?」と思ってしまうほどそっくりです。
ババロアとプリンには、どんな違いがあるのでしょうか。
ババロアとは
ババロアは、フランス発祥のスイーツです。
その起源については、バイエルン王国に仕えたご貴族のために作られたことから「バヴァロア(バイエルン国のもの)」と名付けられたという説と、アントレナン・カレームという人が、バヴェリア地方の飲み物を参考に考案したという説があります。
牛乳に卵黄、砂糖を混ぜ合わせたところにホイップクリームを加えた液を、ゼラチンで固めて作ります。
ホイップクリームによるふわっとした口当たりが特徴的です。
プリンとの違い
プリンとババロアも固め方が異なります。
ババロアはプリンと同様、卵を使っていますが、固めるのにはゼラチンを使っています。そのため、卵で固めるプリンにはない、ゼリーのようななめらかな口当たりがあります。
また、材料にホイップクリームを用いるのもババロアの特徴。加熱するとホイップクリームが溶けてしまうことから、ババロアは加熱調理をしないところも、プリンと大きく異なる点です。
そして、ババロアの発祥地はフランス。イギリス発祥のプリンとは異なるルーツがあることが分かります。
他のスイーツとはどう違う?プリンと似ているけど違うスイーツ
日本ではあまり知られていないスイーツにも、プリンとよく似たものがたくさんあります。
ブラン・マンジェとクリームブリュレを紹介しましょう。
ブラン・マンジェ(ブラマンジェ)との違い
ブラン・マンジェは、フランス生まれのスイーツで、「白い食べ物」というその名の通り、白い見た目が特徴的です。
牛乳やアーモンドミルクに砂糖や生クリームを混ぜ、ゼラチンで固めて作る、「フランス風牛乳プリン」です。
また、もともとはスイーツではなく、お肉などを入れて料理の〆の一品として食べられていました。
クリームブリュレとの違い
プリンと見た目がそっくりなスイーツがクリームブリュレです。
「焦がしたクリーム」という意味を持つクリームブリュレは、フランス発祥のスイーツ。
材料もプリンとほとんど同じですが、卵の白身を使わず卵黄のみを使って作るところがプリンとは異なります。
卵黄のみを使うことで生まれる、まったりとした濃厚な口当たりがたまりません。
また、プリンにはカラメルソースを使うのに対し、クリームブリュレは表面に砂糖を乗せたところをバーナーで炙って焦がしています。
プリンのカラメルソースが滑らかであるのに対して、クリームブリュレは焦がしたことによるパリパリの食感が特徴。
プリンとクリームブリュレはよく似ていますが、材料や調理方法に少しずつ違いがあることが分かります。
プリンにも色々種類がある?名前や食感の違い
パンナコッタやババロア、ブラン・マンジェやクリームブリュレなど、プリンによく似たスイーツについて紹介してきました。
しかし、プリンの中にもさまざまな種類があることはご存知ですか?
名前の呼び方や食感の違いについて見ていきましょう。
プディングとプリンは意味が違う?
プディングと聞くと、プリンの別名と思う人が多いかもしれません。しかし、プリンとプディングという言葉には明確な意味の違いがあります。
プディングとは、焼いたり蒸したりして固めた料理の総称。そのため、固める際に加熱するクリームブリュレやパンナコッタは、プディングの仲間に分類されます。
ちなみに、プリンは「カスタードプディング」というプディングの一種です。
固いプリンとなめらかなプリンの違いは?
プリンには、歯ごたえのある固めのプリン(カスタードプディング)と、とろけるようになめらかな口溶けのプリン(ケミカルプディング)の2種類があります。
ケミカルプディングとは、固める時にゼラチンを使っているプリンのこと。
ゼラチンによってゼリーのようななめらかさが生まれ、卵の凝固作用で固めているカスタードプディングとは、大きく食感が異なります。
カスタードプディングとケミカルプディング、あなたはどちらが好きですか?
プリンと似たスイーツのカロリーの違いは?
調理方法や材料の違いから、味わいや食感に違いがあるそれぞれのスイーツ。
どれも美味しそうですが、カロリーにはどのような違いがあるのでしょうか。
プリン、パンナコッタ、ババロア、ブラン・マンジェ、クリームブリュレの、100gあたりのカロリーを比較してみました。
カロリーエネルギー量比較(100gあたり)
- プリン…116kcal
- パンナコッタ…204kcal
- ババロア…240kcal
- ブラン・マンジェ…261kcal
- クリームブリュレ…354kcal
プリンのカロリーが最も低く、クリームブリュレのカロリーはプリンの約3倍という結果に!
見た目は似ているスイーツでも、カロリーは大きく異なるので注意が必要ですね。
また、カロリーが高くなる要因としては、生クリームが使われていることが挙げられます。
生クリームの代わりに、牛乳や豆乳、アーモンドミルクなどが使用されている商品を選ぶことで、摂取カロリーを抑えることができます。