子どもから大人まで、幅広い層に人気のカレーライスにあなたはじゃがいもを入れますか?
カレーの具材として定番の野菜の一つですが煮崩れするから入れない、じゃがいもを入れるとカレーを冷凍できないからあえて入れないという人もいるでしょう。
しかしじゃがいもを入れることによるメリットもあるので、どんなじゃがいもがカレーに合うのか細かく見ていきたいと思います。
カレーにじゃがいもは入れる? 入れない?
カレーの具材として定番は、肉、玉ねぎ、人参、じゃがいもですがカレールーに大きく影響があるのはじゃがいもです。
品種によって変わりますが、じゃがいもを入れると溶け込みが大きいものはルーの味わいにじゃがいもの甘みが少し加わることがあります。
カレーのスパイシーなところが好きという人にとっては入れたくないと思うかもしれませんが、じゃがいもには多くの品種があり、それぞれに特徴があります。
自分好みのじゃがいもを見つけることで、カレーの味わいを楽しむのもよいですね。
カレーにじゃがいもを入れるのはナゼ?
日本人がカレーに出会ったのは明治時代の始めという記録があります。
その後、カレー粉がイギリスから日本に伝わり1871年(明治4年)に禁止されていた肉食が解禁されたことで牛肉が普及したこともあり、カレーライスが多くの人に知られるようになりました。
明治時代の末期には玉ねぎ、人参、じゃがいもが家庭で作るカレーの定番具材となったようですが、その理由はこれらが長く保存できる野菜であり、船での生活が長い海軍が定番メニューとして採用したから、といわれています。
その後、カレーのレシピや作り方が家庭にも広がり日本ではじゃがいもが入ったカレーが当たり前となりましたが、イギリスにもカレーで有名なインドにもこの具材の定着はないようです。
じゃがいもを入れるとカレーはどう変わる?
まずじゃがいもをカレーに入れると品種によっては煮込んだ時の溶け込みが大きいため、ルーの味わいに甘みが加わり、反対にスパイシーさが軽減されます。
またルーにとろみがつき、入れていない時と比べるととっろとしたカレーになります。
カレーの具材の中ではじゃがいもは大きいので、カレー全体にボリュームが出て食べ応えがあるものになるなど、様々な変化がおもしろいですね。
じゃがいもを入れないなりのメリットは?
じゃがいもを入れないことのメリットは主に2つあります。
- 煮崩れの心配がないのでルーの口当たりがよい
- 食べきれない時に冷凍することができる
じゃがいもを冷凍すると、中の水分が凍り食感が悪くなるのでカレーに入れた場合はつぶしてからの方がよいとされています。
このようにひと手間かかってしまうので、あえて入れない場合がよいこともあるでしょう。
カレーに入れるじゃがいもの品種選びのコツ
ではどんなじゃがいもをカレーに入れるとよいのでしょうか?
そもそもじゃがいもは生産上、生食用と加工用、でんぷん用に分けられます。
生食用はホクホクしてやや煮崩れしやすい粉質系と煮崩れしにくい粘質系があり、カレーには煮崩れしにくい粘質系のものがよくあいます。
代表的な品種はメークイーンとニシユタカがあり、このような粘質系は煮物にもぴったりです。
もう一つの粉質系の代表は男爵とキタアカリがあり、こちらのじゃがいもを入れたい場合は大きめに切って煮崩れを防ぐなど工夫次第でおいしく食べることができます。
どのじゃがいもを入れてもおいしいカレーが出来上がりますが、品種によって仕上がりに違いがでてきます。
食感や食べ応え、味わいの違いなど自分好みのじゃがいもを見つけることも楽しいですね。
男爵いも
代表的な品種で、じゃがいもといえば「男爵」を思う浮かべる人が多いと思います。
球形で皮も中身も白色に近い黄色であり、粉質でホクホクした食感が特徴です。
煮崩れしやすいのでルーにとろみと甘みが増し、辛さを抑えることができます。
さらっとしたルーが好みの場合はやや大きめに切り面取りをする、切った後に水をさらすと煮崩れを予防することができます。
きたあかり
皮はやや黄色で、中身は皮よりも濃い目の黄色と男爵とは少し色味が異なる粉質の品種です。
煮崩れはしやすいですが、ホクホク感も残るのでとろみのついたルーとじゃがいもの食感も楽しみたい人にとってはぴったりな品種です。
メークイーン
お店でよく見かけるじゃがいもといえば「男爵」と「メークイーン」といえるほどの知名度で有名な粘質系のじゃがいもです。
芽が少なめで皮むきがしやすく、ち密な粘質で煮崩れしにくいので、カレーはもちろん煮物やシチューに根強い人気があります。
ルーの質感にも影響がないので、さらっとしたルーとじゃがいもの食感を味わいたい人にはおすすめの品種です。
とうや
身が黄色でなめらかな食感が特徴のとうやも、煮崩れしにくい粘質じゃがいもの品種です。
角が少し煮崩れはしますが、ルーに軽やかなとろみがつく程度でなめらかな食感です。
レッドムーン
皮が赤く身は黄色、長卵形の形をしており特徴がメークイーンに似ていることから別名レッドメークイーンとも呼ばれています。
しっとりとなめらかな舌触り、やや甘みが強いことが特徴の粘質が高いじゃがいもです。
煮崩れしにくいのでカレーにぴったりですが、男爵やメークイーンとは違った風味と味わいがあるので一度試してみたいですね。
カレーとじゃがいもがもっと美味しくなる調理のコツ
カレーにじゃがいもを入れるタイミングはいつがよいのでしょうか?
灰汁が気になるけれどもどうしたらよい?など少しの工夫と手間がカレーとじゃがいもをよりおいしく仕上げますのでポイントをみていきましょう。
ひと口大に切る
粉質・粘質の品種に関わらずカレーのじゃがいもはひと口大に切るとよいです。
ひと口大サイズに切る場合は大きいものは4~6等分、小さいものは半分に切った後T字の3等分にすると形を揃えやすくなります。
切った後、水にさらすと灰汁とでんぷんがとれて煮崩れ防止になるのでおすすめです。
ジャガイモのアクが嫌なら水にさらす
じゃがいもの切り口は空気に触れると黒っぽく変色することがあるので、水で洗いあらためて5~10分ほど水にさらすと灰汁をとることができます。
最初に油で炒めれば煮崩れを防止できる
鍋に野菜を入れたとき、油で玉ねぎと人参と一緒にじゃがいもも表面が少し透き通るまで炒めてみてください。
じゃがいもが油でコーティングされ、煮崩れしくくなります。
レンジ加熱なら茹でないから時短できる
じゃがいもを大きく切ると子どもが食べにくくなってしまうので、小さく切りたいときもありますよね。
しかし小さく切ると煮崩れて溶けてしまうのでは?と心配する人もいるでしょう。
そこでじゃがいもを電子レンジであらかじめ加熱しておき、あとからカレーに入れてから少し煮込みルーとなじませる方法があります。
電子レンジで5~8分ほど加熱し、粗熱をとることがポイントです。
この方法ですと煮込み時間も短縮し、時短にもつながるのでおすすめのやり方です。