酸化するとよくないと聞いたことはありませんか?
鉄が酸化するとさびますし、体が酸化すると老化現象が起きてきます。
気をつけなければならない酸化ですが、今日は油の酸化についての要因や油の保存方法などについて説明していきます。
油の酸化とは
「油の酸化」とは、油と空気中の酸素が結びつくことで起こる変化のことを言います。
油が酸化する理由は、主に酸素に触れること、光に触れること、そして温度の影響があります。
油とは食用油だけでなく、スーパーなどで売られている油で揚げられたお惣菜、市販の麺やお菓子、洋菓子などにも油が使われていますので、酸化していきます。
油が酸化(劣化)する要因
油が酸化する要因は主に3つあります。
・酸素
油の酸化の中で最も大きな影響があるのが酸素です。この酸素と油の脂肪が結びつくことで酸化が進んでいきます。
・光
紫外線から出る光だけでなく、蛍光灯やLEDなどからでる光に当たるだけでも酸化が進んでいきます。
・温度
特に高温の場合、酸化が進んでいきます。10度あがるごとに酸化の反応速度は2倍になると言われています。
調理して熱した油や、直射日光などに当たって温度が上がるような環境だと、油の酸化を促進させてしまいます。
この他にも、湿度や金属イオン、食品のPHも油の酸化に関与しています。
油の保存方法
油の購入時に気をけたいこと
油によって保存する容器の色や保存形態が違います。
開封前の油の保存で気をつけたいこと
開封前の油で気をつけることは「光」と「熱」です。
紫外線に当たらない、室内電気がついているところにそのまま放置して保存しないことが大切です。また、日光が当たるような場所や熱いものの近くに保管しないようにしましょう。
開封後の油の保存で気をつけたいこと
開封後からは油は「空気(酸素)」に触れることになります。
使用後は容器はしっかり密封しましょう。また、開封前と同様に、「光」と「熱」には注意が必要です。
便利なのでガスコンロのそばに油を置いている方がいらっしゃるかと思いますが、ガスコンロの近くは温度が上がりやすい場所なので気をつけましょう。
また、おしゃれの観点から油を容器に入れ替える場合、油によっては透明な容器だと光が入ってしまい酸化が進んでしまうため注意が必要です。
油の酸化が気になる…使える期間は?
油は未開封の場合、
・缶、紙パック︰2年
・透明のガラス瓶︰1年半
・プラスチック容器︰1年
が期限です。
開封してしまっている場合は、記載されている期限に関わらず、1〜2ヶ月以内に使用するようにしましょう。
なお、開封後は酸化が進んでいくため、容器のふたをきちんと閉めて、光の当たらない場所に保存しましょう。
油の種類よって気を付けたい保存方法
オリーブオイル
オリーブオイルは光が入ってしまうと酸化が進んでしまうため、黒か緑色の容器なことが多いです。
保存に適した温度は12〜15度です。冷蔵庫に入れてしまうと白く変色してしまうため、直射日光の当たらない室温に保存しましょう。
グレープシードオイル
グレープシードオイルはぶどうの種から抽出された油で、においがあまりないため、サラダ油の代わりに使う人も増えています。高温多湿を避けて保存しましょう。
えごま油
えごま油は、開封前は冷暗所に保存、開封後は冷暗所もしくは冷蔵庫で保存しましょう。
熱や光、酸素から守るためにしっかりふたをしめて保存することが大切です。
ごま油
ごま油は、比較的酸化しづらい油と言われています。開封前後ともに冷暗所で保存しましょう。
冷蔵庫に入れてしまうと白濁したり固まってしまう可能性があります。
ココナッツオイル
ココナッツオイルは温度によって固体・液体に変化する油です。
常温保存と冷蔵庫どちらの保管も可能です。冷蔵庫に入れておくとバターのようなかたさになります。
酸化した油を食べるとどうなるの?
酸化した油で調理した場合、においやベタベタがひどくなければ直ちに症状がでることは少ないです。
においが出でいたり酸化が進んでいる状態が悪いものは、頭痛、胸焼け、嘔吐、腹痛や下痢を引き起こすことがあります。
また、とりすぎにより動脈硬化や認知症の発症リスクも高まっていきます。
揚げ物入りのコンビニ弁当などを何度も電子レンジで温めてしまうと、酸化がどんどん進んでいってしまうため注意が必要です。
カップ麺やお菓子など開封してしまった場合は長期に保存せず、なるべく早く食べきりましょう。
油の酸化についてのQ&A
Q1.油が酸化するとどのような状態になりますか?
A.油が酸化すると、色が茶色く濃くなっていきます。また、油のにおいもきつくなってきます。また、油のべたつきが出てきて、酸化した油を使って調理をしてもおいしくなくなります。
Q2.一度使った油はどのように保存したらよいですか?
A.油が酸素に触れたままだったり光を浴びた状態だと酸化がすすんでいきます。オイルポットは蓋付きのものや注ぎ口が細いため油が酸素に触れづらく、光から遮断するため酸化を遅らせることができます。揚げ物の油はろ過すれば3〜4回使えますが、どんどん酸化していくため、できるだけ早いタイミングで新しい油を使用するようにしましょう。