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おでんの具材バリエーション

食の知識

体が冷える寒い時期になると無性に食べたくなる、秋冬の定番料理のひとつ「おでん」

出汁で具材を茹でるだけなので、料理が苦手な人でも比較的簡単に作る事が出来ます。

出汁も具材の栄養が溶け込んでいるので出汁ごと食べていただきたい「おでん」ですが、地域ごとに具材や味付けに違いがあります。

 

ご自身が暮らす地域でお馴染みのものから、住んでいない別の地域のもの、おでんの各種具材の仕込み方や辛子以外のおすすめ調味料まで、寒い時期の定番料理・おでんの魅力を今回はご紹介します。

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おでんの具一覧

おでんは野菜、肉類、練り物などの魚類、芋類や餅など様々な食材を煮て一緒に食べられる料理です。

おでんの材料は無限大にありますが、「コレだけは外せない」定番具材と、おでんにすると美味しい意外な具材、好きな人が多い人気具材ををそれぞれ以下にご紹介します。

絶対入れたい定番具材

・大根

・茹で卵

・はんぺん

・じゃがいも

・昆布

・厚揚げ

上記はいずれも、出汁を良く吸ってくれる具材です。

昆布は出汁そのものに旨味も加えてくれます。

出汁の味を楽しめるこれらの具材は、是非とも具に使っていただきたいです。

定番具材の美味しい仕込み方

上記であげた定番具材ですが、美味しく食べる為の仕込み方をご紹介します。

大根の仕込み方

大根を美味しくするために必要な下準備は、以下の通りです。

・面取りをする

・片面に十字の切り込みを入れておく

・下茹でする

・下茹では水の状態から行う

おでんの大根は生のまま出汁で茹でても、味が中に染み込みません。

煮物料理で大根を使う際は「下茹で」という、大根を茹でて熱を通しておき、大根の繊維を解しておくと出汁が良く染み込むようになります。

水で茹でても構いませんが、米のとぎ汁を使うと大根の臭みとアクが出にくくなります。

また「面取り」という角になる部分を包丁で削って丸くしておく作業をすると、具が出汁に浸かる面積が増えるので大根に味が良く染み込みます。

さらに包丁を使って大根の片面に十字に切り込みを入れておくと、切り込みの部分から出汁が入って味がさらに染み込みやすくなります。

大根などの根菜は、熱湯からではなく水から茹でましょう。

おでんの出汁に入れる際も、大根は冷めた状態の出汁に入れて他の具材よりも先に茹でます。

大根は3~4センチ幅の輪切りにして、皮を厚めに剥きます。下茹での時間は3分程度(竹串がすんなり通るまで)です。

粗熱を取ってから、おでんの出汁に入れましょう。

茹で卵の仕込み方

おでんの茹で卵を美味しくするために必要な下準備は、以下の通りです。

・固茹で卵にする

・殻を剥く前に卵を冷たい水にくぐらせる

・スプーンで卵の底を叩いて割れ目を入れてから殻を剥く

・おでんの出汁が冷めている状態から入れて茹でる

おでんの茹で卵は、半熟にはしません。下茹での時に半熟にしても、おでんの出汁で茹でている間に固ゆで状態になります。

ですので、あらかじめ固ゆでにした状態で下準備を行います。

固ゆで状態にしておくと、綺麗な形で茹で卵の殻が剥きやすいというのも理由です。

茹でたばかりの茹で卵は非常に熱いので、直ぐに剥けるように冷たい水(氷水が理想)に数分間漬けてから引き上げて、殻を剥きます。

茹で時間は10分から12分です。酢と塩を水に入れておくと、茹でている最中に鍋の中で殻が割れても白身が直ぐに固まってくれます。

大根と同じように冷めた出汁に入れて茹でると、出汁の味が中までしっかりと染み込みます。

はんぺんの仕込み方

はんぺんは、下準備が必要ありません。

切り方は三角形になるように斜めに2等分または4等分で切るか、四角形になるように十字に大きめに切ります。

はんぺんをおでんに入れるタイミングは、おでんが出来上がる直前です。

熱が非常に通りやすく身がしぼみやすいので、はんぺんはおでんの出汁が煮上がる直前に加えます。

熱いおでんの汁をはんぺんに掛けながら、軽く熱が通った程度になれば食べごろです。

じゃがいもの仕込み方

じゃがいもを美味しくするために必要な下準備は、以下の通りです。

・皮を剥いて大きめに切る

・水から茹でる

・少し硬めに茹でる

大根と下茹での仕方は余り変わりません。米のとぎ汁と面取りは不要です。

茹ですぎると煮崩れしてしまうので、少し芯が残るくらいの硬さになったら取り出します。

おでんの出汁で煮るまで、十分に冷ましておきましょう。

昆布の仕込み方

昆布を美味しくするために必要な下準備は、以下の通りです。

・乾燥昆布を水に漬けて戻す

・長めに切って結ぶ(水で戻した干ぴょうで昆布を結んでも可)

下茹では必要ありません。

出汁を作るのに使った昆布をそのまま切って具材にすると、素材をムダにせずに昆布を最大限まで楽しめます。

昆布を戻す時に使った水を、そのまま出汁の材料として使う事も出来ます。

厚揚げの仕込み方

おでんの厚揚げを美味しくするために必要な下準備は、以下の通りです。

・熱湯をかけて油抜きをする

こちらも下茹では必要ありません。

はんぺんと違ってしぼみにくいので、おでんが煮上がる前に出汁に入れても大丈夫です。

厚揚げは、絹ごし豆腐を油で揚げたものです。

表面に付いている油が出汁に移ると生臭くなってしまうので、油抜きは必ず行っておきましょう。

変わり種具材

シンプルな味付けで作るおでんは、定番の具材の他にも様々な具材を入れて楽しめます。

意外とおでんに入れると美味しい具材は、以下のものがあります。

・レタス

・卵焼き

・ミニトマト

・ロールキャベツ

・アボカド

・魚肉ソーセージ

・天ぷら(紅ショウガ・さつまいも・かぼちゃ等)

・チーズ巾着

・冷凍たこ焼き

アボカドはおでんの出汁で煮込むと、豆腐のような味わいになります。

ミニトマトは3~4個を串に刺した状態で煮ると、煮崩れしにくく食べやすいです。

ロールキャベツは、他の具材が入れられるように一口サイズの小さいものを使いましょう。

天ぷらやたこ焼きを入れると衣や生地が出汁を吸って柔らかくなり、フワフワした食感になります。

チーズ巾着は溶けたチーズが流れ出てこないように、干ぴょうなどでしっかりと巾着を縛っておきましょう。

巾着の中に入れるチーズは、コクがあるカマンベールチーズがおすすめです。

皆から人気のある具材

おでんの定番具材の中でも、人気があるものは以下の具材です。

・こんにゃく(板こんにゃく・糸こんにゃく)

・餅巾着

・竹輪

・タコ

・牛すじ

・銀杏

こんにゃくは、好きな人が多いおでんの人気具材です。

独特の臭みがあるので、おでんにする前に下茹でをしておきましょう。

餅巾着は、子供や若い人に人気が高い具材です。

巾着(薄揚げ)は、餅を入れる前にお湯をかけて油抜きをしておきます。

タコも下茹でをしておくと、出汁に色移りがしにくいです。

タコの色が変わる程(2~3分間)茹でて、冷ましてからおでんの出汁に加えましょう。

銀杏も好きな人が多いです。

銀杏は実が小さいので、殻と薄皮を剥いてから3~5個を串に刺し、軽く下茹でするか素揚げして下準備をしておきます。

辛子以外でもコレが合う!おすすめ調味料

おでんの具に付ける調味料として代表的なものは練り辛子(和辛子)ですが、辛子以外の調味料もおでんと相性が良いものが多いです。

柚子胡椒

さっぱりとした味の柚子胡椒は、大根と相性が良いです。

クセのない爽やかな辛さなので、野菜系の具材や練り物に付けても美味しいです。

味噌・味噌ダレ

こってりとした味噌や味噌ダレも、おでんに付ける調味料としておすすめです。

こちらも大根と相性が良いです。こんにゃくや牛すじに付けても非常に良く合います。

マヨネーズ+七味唐辛子

七味唐辛子を加えたマヨネーズは、牛すじなどの肉系具材と良く合います。

タコや茹で卵に付けても美味しいです。

コチュジャン

ピリリとした独特の辛みと旨味がある韓国の調味料コチュジャンも、おでんと相性が良いです。

こんにゃくや厚揚げ、茹で卵に付けると美味しいです。

粒マスタード

辛子を粒マスタードに変えると、マイルドな辛さが楽しめます。

和辛子が苦手な人も、マスタードは辛さが控えめになるので食べやすいです。

地域別 ご当地おでんの具材と出汁

ここからは、地域別の様々なおでんをご紹介します。

関東風おでん(東京おでん)

東京都などの関東地方のおでんは、出汁のベースに昆布とかつお節を使っているのが特徴です。

出汁は濃い口醤油、酒、みりんを使って甘辛く味付けします。

独自の具材としてスジ(魚のすり身にサメなどの軟骨を加えたもの)、ちくわぶが入っています。

「ちくわぶ」は小麦粉をこねて茹で上げて作る食品で、練り物の竹輪とは別物です。

東京おでんの出汁と具材

【出汁】

昆布とかつお節で取った出汁に、濃い口醤油、酒、みりんを加える

【具材】

・大根

・ちくわぶ

・スジ

・昆布

・はんぺん

・こんにゃく

・がんもどき

・茹で卵

関西風おでん(大阪おでん)

関西風おでんは、大阪府などで食べられているおでんです。

「関東煮(かんとだき)」とも呼ばれています。

昆布とかつお節を使うのは関東風おでんと同じですが、味付けは薄口醤油と塩で行います。

出汁は薄めですが、かつおと昆布の素材の味がしっかりと感じられます。

ごぼうに練り物を巻き付けた「ごぼう巻き」や、「梅焼き」という魚のすり身に卵を加えて作るフワフワした食感の練り物などが、独自の具材として入っています。

関西風おでんの出汁と具材

【出汁】

昆布とかつお節で取った出汁に、薄口醤油と塩を加える

【具材】

・大根

・牛すじ

・糸こんにゃく

・餅巾着

・竹輪

・はんぺん

・茹で卵

・ごぼう巻き

・梅焼き

北海道おでん(札幌おでん)

北海道札幌市で食べられているおでんは、野菜の「ふき」と北海道ならではの新鮮な海の幸が具材として入っています。

出汁は昆布出汁に白だしと酒を合わせます。昆布の味がとても強いです。

札幌おでんの出汁と具材

【出汁】

昆布出汁に白だし、酒を加える

【具材】

・ふき

・白子

・ほたて貝

・さつま揚げ

・大根

・こんにゃく

・はんぺん

・茹で卵

東北おでん(青森おでん)

青森県で食べられているおでんです。

ほたて貝、たけのこ、つぶ貝、白こんにゃくが独自具材として入っています。

出汁で煮た具材を、生姜入りの味噌ダレで食べるのが大きな特徴です。

出汁はかつお節をベースにして塩・白だし・みりんで味付けしますが、水だけで具材を煮る場合もあります。

青森おでんの出汁と具材

【出汁】

かつお節で取った出汁に、塩・白だし・みりんを加える(※水だけで煮る場合もあり)

【具材】

・ほたて貝

・たけのこ

・白こんにゃく

・つぶ貝

・大根

・はんぺん

・竹輪

・昆布

・茹で卵

【調味料】

生姜味噌(赤味噌または米味噌にみりん・酒・おろし生姜を混ぜる)

東海おでん(静岡おでん)

静岡のおでんは地元では駄菓子屋で売られている程に、子供の頃から馴染みが深いおでんです。

出汁・具材ともに黒いのが特徴で、具材は黒こんにゃく・黒はんぺんが使われています。

全ての具材を串に刺しています。漫画で良く描かれている串刺しおでんは、静岡おでんです。

青のりとサバ(イワシ)の削りかすを合わせた「だし粉」を具材に付けて食べます。

静岡おでんの出汁と具材

【出汁】

かつお・牛すじで取った出汁に、濃口醤油・薄口醤油・砂糖を加える。

【具材】

・大根

・黒こんにゃく

・黒はんぺん

・スジ(魚のすり身にサメなどの軟骨を加えたもの)

・茹で卵

・さつま揚げ

・がんもどき

【調味料】

だし粉(サバ(イワシ)の削りかすと青のりを混ぜ合わせる)

さらに辛子を合わせて付けて食べても美味しいです。

東海おでん(名古屋おでん)

同じ東海地方の愛知県名古屋市のおでんは、静岡おでんと大きく違って味付けに味噌を加えます。

名古屋おでんは関東風おでんの出汁に八丁味噌を調味料としてかけるものと、出汁に味噌を溶いて、味噌出汁に具材を煮込む2種類があります。

具材は静岡おでんと同じく、全て串に刺します。

名古屋おでんの出汁と具材

※味噌煮込み式の出汁と具材です。

【出汁】

沸騰した水に豆味噌(八丁味噌)と砂糖、白だしを加える

【具材】

・豚バラ肉(ブロック)

・大根

・焼き豆腐

・ちくわ

・揚げボール(玉ねぎを魚のすり身で包んで揚げた、さつま揚げの一種)

・こんにゃく

・茹で卵

富山おでん

富山県のおでんは、とろろ昆布を具材に乗せて食べます。

出汁はかつおを使わずに、煮干しを使って作ります。昆布と煮干しだけを使ったシンプルな出汁で具材を煮込みます。

富山おでんの出汁と具材

【出汁】

昆布と煮干しを使って出汁を取る

(※調味料で味付けしない。上手く作れない場合は白だしを加えても良い)

【具材】

・大根

・茹で卵

・里芋

・すり身団子(エビのすり身)

・昆布巻きかまぼこ

・かんぴょう

・がんもどき

・細竹(山菜の一種)

・こんにゃく

【調味料】

とろろ昆布を具材に乗せて食べる

京都おでん

京都府のおでんは、大阪のおでん(関西風)よりも淡い味付けがされています。

里芋、木綿豆腐、海老団子、結びしらたき等を具材にします。

京都おでんの出汁と具材

【出汁】

水と昆布で取った出汁に、淡口醤油・みりん・塩・砂糖を加える

【具材】

・大根

・里芋

・茹で卵

・結びしらたき

・木綿豆腐

・がんもどき

・揚げボール

・海老団子

・竹輪

四国おでん(愛媛おでん)

四国地方ではうどん屋やラーメン屋など麵料理を扱う飲食店に行くと、必ずといって良い程におでんが置かれています。

飲食店ではメインの麺料理を食べる前に楽しめる物として、おでんが提供されています。

愛媛県のおでんは、甘辛い「辛子味噌」を調味料として付けて食べます。

辛子味噌は「みがらし」とも呼ばれており、地元ではおでんに欠かせない調味料として親しまれています。

出汁も関東風おでんより甘めに味付けします。

独自の具材として「じゃこ天」が入っている事も大きな特徴です。

愛媛おでんの出汁と具材

【出汁】

煮干し出汁に薄口醤油、みりん、砂糖を加える

【具材】

・じゃこ天

・じゃがいも

・こんにゃく

・竹輪

・がんもどき

・餅巾着

・さつま揚げ

・大根

【調味料】

みがらし(麦味噌に和辛子・水・酒・砂糖・酢を加えて混ぜる)

金沢おでん

石川県金沢市のおでんは、具材に車麩、ばい貝、赤巻が使われています。

「カニ面」というカニの甲羅にカニの身を詰めたものを具材として出しているおでん専門店も、地元ではあります。

出汁は淡く、あっさりとした味です。

金沢おでんの出汁と具材

【出汁】

昆布・煮干し・かつお節で取った出汁に、淡口醤油とみりんを加える

【具材】

・大根

・車麩

・ばい貝

・赤巻き

・びろうず(かんもどき)

・焼き竹輪

・銀杏

・結びしらたき

沖縄おでん

沖縄にも、独自のおでんがあります。

沖縄のおでんは豚足、スパム、ソーセージなど食べ応えがある肉系の具材が多く入っているのが特徴です。

かつおをベースにした出汁に、沖縄の酒の代表である「泡盛」を入れているのも大きな特徴です。

沖縄おでんの出汁と具材

【出汁】

かつお出汁に塩・濃口醤油・泡盛を加える

(※泡盛は日本酒でも代用出来ます)

【具材】

・豚足

・スパム

・ソーセージ

・レタス

・大根

・厚揚げ

・こんにゃく

・昆布

・茹で卵

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