クリーミーで濃厚な味わいが特徴の「バター」。
乳製品の1つであり、牛乳の脂肪分を凝固させて作った食品であるのは、皆さんも良くご存じでしょう。
バターはパンや芋類等に直接付けて楽しむだけでなく、調理用油として使うことで料理に風味やコクを出してくれます。
しかしその一方で、バターはスーパーでも他の製品より高額で手軽に使えないのが難点です。
今回はバターを買いたいけど高価なので安く済む代用品が知りたい人向けに、バターの代わりに使える食品を10品ご紹介します。
バターは何故高価なのか?
バターが他の乳製品と比べて高価である大きな理由は、関税率です。
バターの関税率は、35%で非常に高額です。
高額な関税率である理由は独立行政法人が買い付けをしている事もありますが、最大の理由は日本の酪農家の経営を保護する為です。
海外のバターが頻繁に輸入されるようになると、「還元乳」というものが作られやすくなります。
還元乳は、バターに水を加えて牛乳風の飲料にした食品です。
海外の安価なバターが出回って還元乳が作られやすくなると、牛乳を生産している日本の酪農市場が大きなダメージを受けてしまいます。
それを阻止するために、海外製のバター輸入を規制しています。
併せて日本のバターも還元乳を簡単に作れないように、高い関税をかけているのです。
酪農家の人達の生活を守る為に取られている政策なのですが、それでも生活者である私達としては、バターはやはり高価な食品という認識になってしまいます。
バターの代わりに使える!10個の食品
関税率が高いゆえに高価な食品であるバターですが、バターを使うと料理にコクやまろやかさが出るので、好きな人が非常に多いです。
ここからはバターの代わりに使える代用品を10個ご紹介します。
代用品に出来る10個の食品は、以下のものです。
1:マーガリン
2:生クリーム(※要加工)
3:ピーナッツバター
4:アボカド
5:ショートニング
6:マヨネーズ
7:胡麻ペースト
8:ココナッツオイル
9:太白ごま油
10:プルーンピューレ
それぞれ順番にご紹介します。
1:マーガリン
バターの代用品と聞いて思い浮かびやすい食品が「マーガリン」です。
マーガリンは、高価なバターを安価に手に入れやすいように作られた加工食品です。
植物性脂肪分と動物性脂肪分を配合しており、よりバターに風味を似せている「バター風味」のマーガリンも、スーパー等で多く出回っています。
バターに一番近い味を出したいと思う人は、マーガリンが最もおすすめです。
2:生クリーム(※要加工)
パンに塗る用に使いたいのでしたら、同じ乳製品である生クリームを使えばバターのようなクリームを作る事が可能です。
作り方はとても簡単です。
(1)高脂肪の生クリームを用意する
(2)冷蔵後で良く冷やした生クリームを蓋付きの瓶に入れて、凝固するまで良く振る(およそ5分)
上記の方法で、英国風スコーンに乗せて食べる「クロテッドクリーム」に似たクリームが作れます。
クロテッドクリームも乳製品の1つです。バターと生クリームの中間のような味わいが特徴です。
この生クリームを使って作ったクリームは、パンに乗せて食べるバターの代用品にするのがおすすめです。
お菓子や調味料として使う際には、クリームがとても柔らかく水分が多いので注意しましょう。
3:ピーナッツバター
パンに付けるイメージが強いピーナッツバターですが、乳製品のバターのように調味料としても幅広く使用可能です。
ナッツ独特の香ばしさが出るので、バターとまた違った独特の風味が楽しめます。
料理の調味料として使用する場合は、甘味が少ない無糖タイプを使用しましょう。
4:アボカド
アボカドは、脂肪分が豊富に含まれています。(※野菜ではなく果物です)
バターの代わりにパンにスライスしたアボカドを乗せて焼くと「アボカドトースト」として美味しく食べられます。
また、料理やお菓子の生地に細かく切ったアボカドを入れて混ぜても、サッパリとしながら濃厚なアボカドの風味が楽しめます。
5:ショートニング
ショートニングは、植物性の脂肪分で作られた人工調味料です。
英語で「サクサクさせる」「ポロポロにさせる」という意味を持つ、ラードの代用品です。
クッキーなどのお菓子を作る時のバター代わりに使用するほかに、ラードやバターの代わりに揚げ油に入れると、サクサクとした食感の美味しい揚げ物が作れます。
6:マヨネーズ
卵黄・酢・サラダ油を配合して作られるマヨネーズも、バターの代用品として使用できます。
ただしマヨネーズ独特の味が残りやすいので、マヨネーズが苦手な人は控えた方が良いでしょう。
7:胡麻ペースト
スーパーのジャムコーナー等に良く陳列されている胡麻ペーストも、バターの代わりにお菓子や料理にコクを出してくれます。
手作りお菓子の味に変化を出したい時にも、胡麻ペーストはうってつけです。
8:ココナッツオイル
最近スーパーでも出回っている「ココナッツオイル」も、バターの代用品にピッタリです。
MTCオイルと混同しやすいですが、ココナッツオイルの脂肪分はサラダ油に近いです。
その一方でMTCオイルは、ココナッツ・パームフルーツの種子から作られる中鎖脂肪酸油です。
MTCオイルには風味が殆どありません。MTCオイルはダイエットにはうってつけですが、バターの代わりとして使うのでしたらココナッツオイルの方が風味が出ます。
9:太白ごま油
上質な胡麻を使用して作られている「太白ごま油」も、バターのように料理やお菓子にコクを出してくれます。
太白ごま油は、スーパーで良く売られている「白ごま油」「黒ごま油」とは違います。
白ごま油・黒ごま油は炒ったごまを絞って油にしているものですが、太白ごま油は生のごまを直接絞って作られています。
風味が通常のごま油よりも強いので、特にお菓子作りでの風味付けにおすすめです。
10:プルーンピューレ
鉄分が豊富に含まれる果物・プルーンを加工した「プルーンピューレ」も、バターの代わりに使用可能です。
独特の甘みと苦みがありますが、レーズンが苦手な人でもプルーンピューレは食べやすいです。
バターよりも低脂肪なので、ダイエットにもうってつけです。
プルーンピューレはドライフルーツのプルーンに水を加えて、熱を加えながら潰すだけで簡単に作れます。
バターの代用品として向かないもの
バターの代用品は様々なものが使えますが、逆に代用品には向かない食品も幾つかあります。
以下にて一部をご紹介します。
1:オリーブオイル
バターの代用品として思い浮かびやすいですが、オリーブオイルにはバターのようなコクと風味がありません。
使えない事はないですが、味に深みが無くなるのでおすすめしません。
2:サラダ油
サラダ油もオリーブオイル同様に、バターのようなコクと風味がありません。
お菓子作りの際にサラダ油しか代用するものが手元にない場合は、生地にチョコレートなどを加えて具入りのお菓子にすると良いでしょう。
3:ヨーグルト
バターと同じ乳製品であるヨーグルトですが、バターの代用品には向きません。
風味が全く無い上に水分が非常に多いので、油の代用品として使うのも適しません。
4:チーズ
ヨーグルト同様に乳製品であるチーズも同じです。ヨーグルトよりは脂肪分が若干ありますが、脂肪成分の塊であるバターではないので、油としては使えません。
チーズはバターの代用品ではなく具材として、お菓子や料理に入れて楽しみましょう。
【まとめ】バターの代用品を使う際に注意したいこと
関税率が35%と高い為に非常に高額であるバターですが、バターを使う主な目的は「風味付け」です。
油分の代わりとして使うのでしたらサラダ油やオリーブオイルなども使用可能ですが、風味がほとんど無いので、バターの代わりには向きません。
あくまで「風味」が付けられる、油分を含んだ食品を選ぶようにしましょう。
アボカドや胡麻・プルーン・ピーナッツバターを使うと、バターとはまた違う風味がある美味しいお菓子や料理が作れます。一度試してみてください。