買い物に出た先で掘り出し物を見つけると、すごくいい仕事をしたような達成感ってありませんか?
台所を預かる身としては、スーパーのポップや値引きシールに目を輝かせることが多いのですが、ただ買っただけでは駄目! 調理して美味しく食べてこその達成感なんですよね。
冷蔵庫の中で忘れられた賞味期限切れや消費期限切れの食材に反省。中には、見た目は全然普通なのに消費期限切れの豚肉なんていうものもあり慌てます。捨てるのはもったいないし…。
そうなると自分の五感が頼りです。
豚肉の消費期限切れはいつまで平気?
基本消費期限がついていたら、表示された日付以降は食べないにこしたことはありません。でも、目で見て、鼻で嗅いで、手で触って大丈夫なら、自己責任で食べてもいいのかなと思っています。消費期限はあくまで目安。
パックした日からの期限なので、季節や加工前の状態、販売状態、家での保存状態などによっても変わります。
「1週間以上過ぎてたけど大丈夫だったよ」と言う人もいるかもしれませんが、物によっては消費期限前でも駄目なものだってあるのです。「病は気から」ということわざもあるように、気にしながら食べるとあたってしまうかも? 心配ならやめておいたほうがよさそうです。
消費期限切れの豚肉 食べられるかどうかの見極めチェック
消費期限はどのようにして決められるのでしょう? 答えは菌の数です。パックしたときに出るドリップにつく雑菌が一定数になる日数で決められています。
鮮度は時間とともにじわじわ落ちていくものであり、日付が変わった途端に食べられなくなるものではありません。食べられるかどうかの見極めは自分でするしかありませんが、ポイントは下記の通り。
- ドリップが出ていないか?
- 変色していないか(きれいなピンクでない)?
- 変な臭いはしないか?
- ネバネバしていないか?
1.「見た目」は?
まずは目で確認しましょう。ドリップが出やすい部位と出にくい部位とありますが、色はどうでしょう。豚肉の色は本来ピンク色をしていますが、黒っぽくなっていませんか?
脂身の部分が黄色っぽくなっていませんか? ネバネバして糸を引くような感じになっていませんか? ねばつくようなら完全廃棄です。
2.「におい」は?
変な臭いはしませんか? 明らかに腐敗臭がするようなら食べるのはやめましょう。調理しても臭いが残り美味しくありません。
お腹を壊し苦しい思いをするだけ損! せっかくの料理も台無しです。
豚肉をチルド室や冷凍室に入れたら消費期限はいつまで?
冷蔵庫はしまう場所で温度が変わります。豚肉の消費期限も保存する場所で変わるのでしょうか?
- 冷蔵室 2℃~5℃
- チルド 0℃~3℃
- 冷凍室 -20℃~-17℃
販売時の形態 | 保存温度 | 豚肉の可食期間 |
ブロック肉 | 10℃ | 3日 |
4℃ | 6日 | |
0℃ | 7日 | |
スライス肉 | 10℃ | 3日 |
4℃ | 5日 | |
0℃ | 6日 | |
ひき肉 | 10℃ | 1日 |
4℃ | 3日 | |
0℃ | 5日 |
チルド室で保存した場合
チルド室は凍らないギリギリをキープできる場所。冷蔵室よりも食品の発酵や熟成を遅らせることができます。季節や購入前の保存状態、家庭の冷蔵庫は開け閉めも多いので、思ったほど期待はできません。
日持ちするといってもせいぜい数日延びるといったところでしょう。日持ちさせるには、帰宅したらすぐ冷蔵庫に入れるのが鉄則ですが、ちょっとした工夫をすると持ちと味が違います。
冷蔵の場合は、トレーのままだと旨味が逃げやすいので、まずはトレーから豚肉を出しキッチンペーパーで水分をふき取り、小分けにしてラップ。袋や容器に入れて保存しましょう。
冷凍室で保存した場合
冷凍室は-18℃位なので完全に凍ります。冷凍も冷蔵と同様、使う分ずつ小分け。なるべく平らに平たく外気に触れないようにラップで包んだり密閉できる袋に入れて冷凍します。
ひき肉の場合は火を通してからの冷凍をおすすめします。基本は急速冷凍。機能がない場合にはラップや袋の上からアルミホイルを巻いたり、伝導率の高い金属製バットの上に乗せて冷凍すれば大丈夫。
1カ月位日持ちし、冷凍前のちょっとした一手間が美味しく食べられるポイントになるのです。冷凍焼けに注意! 解凍は電子レンジを使わず、冷蔵室で自然解凍をおこないましょう。
豚肉の「消費期限」と「賞味期限」はどう違う?
私達が買う豚肉には、消費期限と表示されていることがほとんどだと思います。部位によっても消費期限は変わり、ひき肉が短く、ブロックが長いです。
比較的品質が劣化しにくい部分肉には賞味期限で表示されたりもするそうですが、ほとんどが業者間の取引に使われる形態なので、消費者の私達が目にすることは少ないと思います。
最近消費期限を延ばす❝魔法のラップ❞なるものがあるようです。
樹脂原料「ハイラミン」でできた特殊ラップ「スキンパック」は、生肉の消費期限を3日から13日に引き延ばすことができるのだとか。
大手スーパーなどで普及しつつあるようで、スーパーから値引きシールが消えるとも言われています。
【消費期限】とは?
【消費期限】とは「未開封の状態で、指定された保存状態を守れば、そこに表示されている年月日まで安全に食べられますよ」というものです。弁当、ケーキ、サンドイッチ、生肉、生麺など傷みやすく日持ちしない食品に記載されます。消費期限がすぎたものは基本廃棄です。
【賞味期限】とは?
【賞味期限】とは日持ちする食品に対し風味の品質が保たれる期限。「未開封で保存状態を守れば、記載されている年月日まで美味しく食べられますよ」というものです。
豚肉で食中毒?梅雨の時期は特に注意!
サルモネラ、カンピロバクタ―、エルシニア、E型肝炎ウイルスなどを保菌した豚肉で食中毒をおこすことがあります。多くの菌は75℃で1分以上加熱すれば死滅させることができます。
なので豚肉はしっかり焼いて食べましょう。食中毒は1年中発生していますが、梅雨の時期から夏にかけ細菌による食中毒が発生しやすくなります。細菌は高温多湿を好み、この時期は腸管出血大腸菌(O157・O111)に気をつけなくてはなりません。
気温が低く空気が乾燥する冬になると、細菌による食中毒は減りノロウイルスなどのウイルスによる食中毒が発生しやすくなります。食材は買ったら食べるときまで注意が必要です。
豚肉を日持ちさせる工夫、方法
豚肉を長持ちさせるためには以下の方法を試してみてください。
空気を遮断する
豚肉は空気に触れない状態で保存することがとても大事です。
1番簡単な対策はラップで包むことです。
もっと鮮度にこだわるなら真空パックオススメです。
豚肉を真空パックすることで、酸素との接触を避けることができます。酸素が豚肉の酸化を促進するため、真空パックは日持ちさせる効果があります。
また、スーパーで買ってきた豚肉によくある発泡トレーでの保存は避けましょう。あれは完全な密閉性はなく、常に空気に触れている状態が続いているので劣化が早いです。
それだけではなく、発泡トレーは熱伝導率が悪いので、冷蔵庫の中でも冷えづらいです。豚肉の鮮度を保つにはできるだけ低温がよいので時間がなくても、せめてラップに包み変えるぐらいはしてくださいね。
冷凍保存
豚肉を冷凍保存することで、長期間保存することができます。豚肉を冷凍するときはできるだけ新鮮な状態で冷凍するようにしましょう。
また、冷凍する前に細かく切ったり、適切な量に分けたりすることで、必要な分だけ使いやすくなります。
香辛料や調味料で下味をつける
豚肉に下味をつけることで、風味を引き立てるだけでなく、肉を鮮度w落とさずに保つ効果もあります。特に塩は肉の鮮度を保つための効果があります。
生肉でも大量の塩をすり込んでおけば常温でも24時間は腐らずに置いておけるくらいなのです。
以上、これらの方法を組み合わせて、豚肉の賞味期限を延ばしてみてください。
まとめ
毎日の食卓に並ばない日はないのではないかと思える豚肉。せっかくなら豚肉が持ついい栄養を美味しく身体に取り入れたいものです。
安さに釣られて買った物で食品ロスを起こすようでは本末転倒。
買い方にも注意が必要です。冷蔵庫を本来の機能が果たせない位パンパンにしてしまっては、せっかくお得と思って買った食材が持ちません。消費期限とついたものは期限内に食べるのが基本。
一か八かの賭けのような食べ方は危険です。消費期限内に食べそうにないと思ったら、冷凍室に入れてしまうのも手です。食の安全を心がけ、元気な身体で頑張りましょう。