ごま油の香りがするだけで食欲がそそられ、料理していても楽しい気分になります。常備しておきたいごま油を買い忘れたり、切らしてしまったら料理のやる気もなくしてしまいますよね?
ごま油がなくても作りたい料理を諦めないために、サラダ油にプラスで作れるごま油の代用品をご紹介します。
ごま油とは?
ごま油の原料となるのは、ごまの実からとれる種子の部分です。このごまの種子を焙煎して油を搾り、熟成させたものがごま油です。
国産のごまは希少
日本人は年間約15万トン(2021年)ものごまを消費しており、そのうち国内で収穫されるごまの量は約40トンのみです。
ごま油に使用されるごまは主にアフリカや中南米から輸入しています。収穫されたごまの中から良質なものを選んで輸入するため、年によって産地が変わります。
ごま油は美容や健康にもいいって本当?
ごま油には体内で作ることができない必須脂肪酸であるリノール酸をはじめ、オレイン酸やセサミンなど私たちの健康維持に欠かせない栄養成分が多く含まれています。
ごま油に含まれる栄養成分と効能
栄養成分 | 効能 |
オイレン酸 | コレステロール値を下げる |
リノール酸 | 血管の詰まりを防止する |
α-リノレン酸 | 血液をサラサラにする |
セサミンK | 強力な抗酸化作用 |
セレン | 老化や生活習慣病の原因となる活性酸素の生成をおさえる |
ビタミンE | 細胞の健康維持を助ける |
ごま油の健康効果
- 動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防
- コレステロール値を下げる
- 血行促進
- 血管を強化
- アレルギー症状を改善
ごま油の美容効果
- 便秘解消
- アンチエイジング効果
- 腸内環境の改善
- シワを予防
- 美肌効果
ごま油の摂りすぎは気をつけて
健康効果や美容効果の高いごま油ですが、油なのでの高カロリーです。1日あたりの摂取量は10g程度が目安となっています。
- 大さじ1(12g)/111kcal
- 小さじ1(4g)/40kcal
ごま油はどんな料理にも使える
ごま油を使う料理といえば「チャーハン」「ナムル」「チャプチェ」「中華スープ」「中華ドレッシング」と中華料理や韓国料理ばかりですが、ごま油の香ばしさやコクは和食にも洋食にも合います。
ごま油は炒め料理だけでなくできあがった料理にちょい足ししたり、ほかの調味料と合わせたりと幅広く活用でき、唐揚げやドーナツなどの揚げ物はコクが出て美味しく仕上がります。
ごま油をちょい足しする
炒めるだけでなく香りづけやコクを出す効果もあるごま油は、どんな料理にも合う万能な調味料です。ちょい足しでさらに風味が広がります。
- 肉じゃがなどの煮物
- うどんやみそ汁
- 卵かけごはん
- さしみ
- 湯豆腐や麻婆豆腐などの豆腐料理
ごま油と調味料を合わせる
実際に試してみましたが、ごま油を足すことでコクが出て味がしっかりします。砂糖と味噌はまろやかさが加わり甘めの調味料とは相性がいいと感じました。
- オイスターソース
- 醤油
- マヨネーズ
- 砂糖
- 味噌
調味料が美味しくなると料理も当然美味しくなります。ぜひ試してみてください。
ごま油の代用品はサラダ油にプラスで作る
ごま油を買い忘れてもサラダ油があればなんとか代用できるかもしれません。いざというときの参考にしてください。
サラダ油×ごま
サラダ油にごまを加えて熱するとごまの香りが油に移り、ごま油の代わりになります。ごまの状態にも「いりごま」「すりごま」「ねりごま」とあり、それぞれの違いは香りの出方にあります。
ごまそのものの栄養は変わりませんが、ごまの皮がない方が栄養の吸収率はいいそうです。
炒りごま
炒りごまは原料のごまを焙煎したものです。焦げる直前までしっかり火を入れることで香りも風味もより良いものになります。
炒りごまは皮がついた状態のごまなので、ごまを捨てずに食材と一緒にしっかり噛んで食べれば、ごまの栄養を無駄なく摂ることができます。
すりごま
すりごまは炒りごまをすりつぶしたものです。炒りごまに比べると香りが強く風味も豊かです。すでに焙煎されているすりごまですが、さらに火にかけることでコクが増します。
練りごま
練りごまは炒りごまをペースト状になるまで練ったものです。練りごまには油分が含まれているためごま油にいちばん近い代用品になります。さらに焙煎する手間もなく使えるので便利です。
ペースト状の練りごまには甘みやまろやかさがあり、ごまの風味も濃厚です。炒め物でも和え物でも濃い味わいとなります。
サラダ油×ピーナッツバター
ごまと香ばしさが似ているピーナッツバターは、ごまと同様に料理の風味やコクをアップしてくれます。
砂糖入りのピーナッツバターを使うと料理が甘くなるだけでなく、調理の際に焦げ付くことがあるので注意が必要です。
サラダ油×ラー油
ラー油にはごま油が含まれているため、ごまの香りをつけることはできます。辛みもつくので味をみながら少しずつ加えることをおすすめします。
オリーブオイルはごま油の代わりになる?
香ばしい香りのごま油に対してオリーブオイルはさわやかな香りです。「油」としては代用できますが、ごま油の香りや風味を期待する料理の場合は、仕上がりが全く変わるので代わりにはなりません。
ごま油と太白ごま油は何が違う?
「焙煎したごま」の油を搾るごま油に対して、太白ごま油(たいはくごまあぶら)は「生のごま」を搾った油です。ごま油の持つ健康効果や美容効果、風味はそのままですが、焙煎したごまに比べて色や香りが少ないのでクセのない油となります。
太白ごま油は高温での加熱に強いため、揚げ物や炒め物は重たくならずあっさり仕上がります。お菓子作りではバターのように冷めても固まらないので、焼き上がりのふわふわ状態が続きます。シフォンケーキやカステラなどによく使われています。
まとめ
香りや風味に特徴があるにもかかわらず、どんな料理とも相性がいいごま油。さらに健康や美容の効果も高いとなると毎日摂りたいですね。
ごま油は料理の幅を広げるだけでなく、その香りが楽しい雰囲気を作り食事の場を明るくする効果もある、本当に万能な調味料です。