温かいうどんや蕎麦の添え物としてお馴染みの「蒲鉾(かまぼこ)」。
年末年始の年越し蕎麦やおせち料理の定番具材でもある練り物ですが、保存期間については意外と知らない人が多い食品の1つです。
一度に使う量も少なくなりがちなので、余らせてしまいやすい食品でもあります。
腐ってしまうとどうなるのか?市販品のパッケージに記載されている賞味期限が過ぎても、何日後までなら安全に食べられるのか?
あなたは正しい情報をご存じでしょうか?
今記事では蒲鉾の日持ちについて、5種類ある蒲鉾の各特徴も交えてご説明します。
蒲鉾は全部で5種類!
蒲鉾といわれて大抵の人がイメージするのは、板の上に乗っている半月型の「板蒲鉾」です。
板蒲鉾は「蒸し蒲鉾」という種類の蒲鉾ですが、蒲鉾は全部で5種類あります。
下記にてそれぞれの蒲鉾と特徴を紹介します。
お馴染みの板蒲鉾など「蒸し蒲鉾」
「蒸し蒲鉾」は、上記で挙げた板蒲鉾が代表です。
蒲鉾は魚肉と調味料を混ぜて練った生地に熱を通して作る食べ物ですが、蒸し蒲鉾は生地に熱を通す時に、蒸す作業をして作ります。
蒸し蒲鉾はプリプリとした独特の食感が特徴です。
蒸し蒲鉾には以下のものがあります。
主な蒸し蒲鉾
・板蒲鉾
・藁巻き蒲鉾(中国・四国地方の特産品)
・昆布巻き蒲鉾(富山県の名産品)
・蒸焼き蒲鉾(板蒲鉾の表面を炙って焼いたもの。関西では広く親しまれている)
おせちの伊達巻きなど「焼き蒲鉾」
「焼き蒲鉾」は、練った生地を炙り焼き等で熱を通して作る蒲鉾です。
代表的なものは、お正月のおせちでお馴染みの「伊達巻き」です。
伊達巻きは、卵焼きのように生地をフライパンで巻きながら焼いて作ります。
フワフワとした食感が特徴です。
焼き蒲鉾に分類される蒲鉾は、以下のものがあります。
主な焼き蒲鉾
・伊達巻き
・笹蒲鉾
・なんば焼(和歌山県の特産品)
・焼抜蒲鉾(京阪神地方の特産品)
・梅やき(大阪府の名産品)
・白焼き蒲鉾(山口地方の特産品)
ラーメンの”なると”がコレ「茹で蒲鉾」
練った蒲鉾の生地を茹でて作ったものが「茹で蒲鉾」です。
茹で蒲鉾の代表は、ラーメンに乗っている添え物でお馴染みの「なると巻き」です。
蒸し蒲鉾のようなプリプリ感は余り無く、しっとりとした食感をしているのが特徴です。
茹で蒲鉾には以下のものがあります。
主な茹で蒲鉾
・なると巻き
・スジ(練った魚肉に魚のスジや軟骨を混ぜ込んで茹でたもの。東京・関東地方ではおでんの具に良く入れられている)
・つみれ
・はんぺん
・黒はんぺん(静岡県焼津市の名産品。静岡おでんの具の定番)
揚げたてと時間が経ったものは食感が違う!「揚げ蒲鉾」
練った生地を揚げて作った蒲鉾が「揚げ蒲鉾」です。
揚げ蒲鉾は作りたての状態だと、表面はサクサクしていて中はホクホクした2つの食感を楽しめます。
揚げてから時間が経つと、表面は硬めで全体的にプリプリした食感になります。
関西で好まれている蒲鉾で、西日本のうどんやおでんには揚げ蒲鉾が良く入っています。
揚げ蒲鉾には以下のものがあります。
主な揚げ蒲鉾
・ごぼう天
・じゃこ天(愛媛県の特産品)
・白天(大阪府の特産品)
・さつま揚げ(鹿児島県の特産品。鹿児島では「つけ揚げ」関西では「さつま揚げ」関東では「天ぷら」と呼ばれています)
そのまま食べても美味しい「風味蒲鉾」
5種類目の蒲鉾は「風味蒲鉾」と呼ばれているものです。
味が濃い目に付いているので、そのまま食べても美味しい蒲鉾です。
風味蒲鉾に分類される主なものは、以下の2つです。
主な風味蒲鉾
・竹輪(ちくわ)
・カニ風味蒲鉾
蒲鉾は腐る?
蒲鉾は5種類のものがありますが、全ての蒲鉾は火を通して作っています。
火を充分に通しているので、作りたての段階では菌が死滅している状態です。
しかし作ってから日が経ち過ぎると空気中に居る新たな菌が付いて繁殖してしまい、やがて腐ってしまいます。
蒲鉾が腐ると、いずれのものも以下のような状態になります。
腐った蒲鉾の状態
・表面がネバネバしている
・持ち上げると糸を引く
・鼻を刺すような異臭がする
・身の一部がドロドロに溶けている
・内側が柔らかくなり過ぎている
・カビが生えている(青カビ・白カビ)
・包装紙がパンパンに膨らんでいる
上記の状態になっていたら、菌が繁殖しているので直ぐに捨てましょう。
食べてしまうと腹痛・下痢・嘔吐から、最悪死に至ってしまう重篤な食中毒になります。
未開封品の日持ち目安
パッケージを開けていない未使用品の蒸し蒲鉾は、記載されている賞味期限から1~2週間後までなら問題なく食べられます。
ただし、上記は冷蔵庫保存をしている場合です。
常温で保存すると、賞味期限よりも早く腐る可能性が高くなります。
夏場だと1日以上置いておくだけで、蒲鉾が腐ってしまう事も多いです。
冷凍庫だと1か月まで保存可能ですが、食感が大きく変わるのでおすすめしません。
「冷蔵庫で1か月以上持つ」と記載している紹介サイトは多くありますが、賞味期限が切れて1か月後の蒲鉾は、例え腐っていなくても痛んでいる可能性が非常に高いです。
痛んだ蒲鉾も、食中毒の原因になります。
賞味期限から1~2週間後までを日持ちする最大の目安にして、可能な限りは賞味期限内に使い切るようにしましょう。
開封品の日持ち目安
開封した状態の蒲鉾は、未開封の状態よりも日持ちしません。
市販品の蒲鉾を買うと、パッケージに「開封後はお早めにお召し上がりください」と記載されています。
”お早め”は、冷蔵保存で2~3日以内という意味です。
パッケージに記載されている通り、賞味期限に関わらず2~3日以内で使い切るのが理想です。
使い切れない場合は、食感が大きく変わってしまいますが冷凍保存をしてください。
冷凍保存をする場合は、一口大に切った蒲鉾を食品の冷凍用保存袋(ジップロック等)に重ならないように並べてから、密封して冷凍庫の奥側に入れます。
冷凍をすると、1か月まで保存が出来ます。
まとめ
蒲鉾は蒸し蒲鉾、焼き蒲鉾、茹で蒲鉾、揚げ蒲鉾、風味蒲鉾の5種類がありますが、腐り方はどれも殆ど一緒です。
糸が引いたり表面がネバネバしていると確実に菌が回っている状態なので、食べずに必ず捨ててください。
基本的には賞味期限を守るのが理想ですが、切れてしまった場合は未開封で2週間後までが最大目安です。
開封済の場合は、賞味期限に関わらず開封してから3日以内までは安全に食べられると覚えておきましょう。
冷凍保存をすると1か月後まで食べられる期間が伸ばせますが、食感が著しく変化してしまいます。
蒲鉾は醤油をかけて刺身のように食べたりする事が出来る食品です。
炒め物や焼きそばに加えても美味しいです。
うどんやそばの具にして余った蒲鉾は、そのまま食べたり別の料理に加えると比較的に早く使い切れます。
工夫をしながら、上手に早めに食べ切るようにしましょう。