北海道特産の「ハスカップ」という食べ物を知っていますか?
ハスカップは最近では土産物として徐々に人気が出ていますが、北海道外の地域に住んでいる人は馴染み薄く、そもそもハスカップが何なのかがわからない方が多いでしょう。
本記事ではハスカップがどんな味なのかを詳しく解説します。
ハスカップとは
ハスカップは北海道に主に自生する果実の名称です。「北国の不老長寿果実」と呼ばれるほどの豊富な栄養素を持ちます。
ハスカップは寒い地域で自生をする果実で、元々はロシアのシベリアの渡り鳥によってハスカップの種子が運ばれて日本にやってきました。
これが日本におけるハスカップの歴史の始まりと言われています。
ハスカップの花
ハスカップはブルーベリーの葉に似ており、例年5月頃からラッパ状になるクリーム色の花が咲きます。
開花時期は5月~6月頃と短く、北海道の人でもハスカップの花を一度も見たことがない人が多いです。
ハスカップの実
ハスカップの実の色はブドウのような色で形はブドウとは異なり、楕円形のような形をしています。
ハスカップの実は他の果物と比較して日持ちが短い果物としても知られており、収穫から1週間ほどで食べきる必要があります。
ハスカップの名前の由来
ハスカップの名前の由来は、北海道の先住民族として有名なアイヌ民族からきています。
ハスカップは「ハシカプ(枝の上に沢山なるもの)」が由来となっています。
これはアイヌ語ですが由来からわかるようにハスカップは以前、北海道内では豊富に収穫できましたが、昨今では自生のハスカップはほとんど見かけられず、栽培メインとなっているのが実態です。
ハスカップに含まれる栄養
ハスカップには豊富な栄養素が含まれており、特に以下の通りビタミンEやCやアントシアニンを多く含んでいる為、先述した不老長寿果実と呼ばれる所以となっています。
主な栄養素
・ビタミンE~ビタミンEは、抗酸化作用によって活性化酸素の細胞膜酸化を防ぎ、生活習慣病やガンを予防する働きを持ちます。
・ビタミンC~ビタミンCもビタミンE同様に抗酸化作用が高く、血管疾患や風邪の予防効果があります。また、美肌効果も高い栄養素となっています。
・アントシアニン~アントシアニンは花や果実などに広く分布される色素成分です。眼精疲労抑制やメタボなどの生活習慣病解消に役立つ栄養素となります。
ハスカップの産地と旬
栄養価が非常に高い「ハスカップ」、続いてはハスカップの産地と旬について詳しく紹介します。
ハスカップの産地
ハスカップは北海道のどこでも収穫できる果実ではなく、限られた地域で栽培されています。特に以下地域で盛んに収穫されています。
千歳(ちとせ)市
千歳市は北海道の玄関口である新千歳空港がある町として有名ですが、実はハスカップの「農業栽培発祥地」で観光農園がいくつもあり、一般の人でも気軽にハスカップの収穫やジャム作り体験ができます。
上富良野(かみふらの)町
上富良野町はラベンダー畑で有名ですが、その広大な土地を利用してハスカップの栽培も盛んに行われています。
中でもハスカップを使用したタルトやビールなどに力を入れて作っています。
厚真(あつま)町
厚真町の農園の一部ではハスカップのブランド化に取り組んでおり、出荷の際の糖度基準を始めとして管理を厳格にすることで「そのまま食べても甘くておいしい」ハスカップを生産しています。
美唄(びばい)市
美唄市は自然に囲まれた地域を有し、その土地柄を利用した全国一の収穫量を誇るハスカップ大国です。ハスカップ農園も数多く存在し、美唄市に行けば間違いなくハスカップ収穫体験ができるでしょう。
美瑛(びえい)町
美瑛町は映画の撮影に使われるほどの丘陵風景で有名ですが、ハスカップの栽培も盛んに行われています。
美瑛町にはApple社のMacにも使用された観光地「青い池」もあるので、観光のついでにハスカップ収穫体験をしてみてはいかがでしょうか。
ハスカップの旬
ハスカップは例年7月~8月頃の初夏から夏に旬を迎えます。旬の時期が短いことから北海道外にはあまり出回らない為、全国的には馴染みが薄い果実となっているのが現状です。
ハスカップの流通
先述の通り、ハスカップは北海道外にほとんど流通しない為、全国的にあまり知られていませんが、ハスカップの流通が滞ってしまっている原因としては、ハスカップ特性に問題があることが理由でした。
以下では、ハスカップの特性に焦点を当てて流通について説明します。
主に加工品が流通
ハスカップは生の状態で流通することはほとんど無く、基本的には収穫後に冷凍されます。
従って北海道内においても主に加工品が流通しています。
生では流通していない理由
生のハスカップが北海道内でもほとんど流通しない理由として、以下があります。
・常温保存が向いておらず、他の果物よりも日持ちせず腐りやすい
・非常に柔らかく、ちょっとした衝撃で潰れやすい為輸送に向いていない
ハスカップが本州で気軽に楽しめないのは非常に残念ではありますが、北海道限定という言葉がそそられますよね。
ハスカップを選ぶ時のポイント
生のハスカップを稀にお店においてある場合があるので、店頭でハスカップを見つけた時のポイントを紹介します。
皆さんもどうせ食べるならできるだけ新鮮な生のハスカップを食べたいですよね。
新鮮なハスカップを見分けるコツ
収穫から日が経っていない新鮮なハスカップは皮の表面に白い粉が残っています。
また、パッケージなどに入っているものはパックの底を見てみて、ハスカップが潰れて果汁が溜まっていないかをチェックすると確実でしょう。
ハスカップの味
あまり馴染みのないハスカップの味について詳しく紹介します。
爽やかな酸味がハスカップの特徴
ハスカップの味に占める割合で最も多いのは「酸味」です。この酸味の中にほのかな甘みと苦みを含んだ味がハスカップ特有の味になり、クセになる味わいとなっています。
品種改良により甘みの強いものも増えている
酸味が強いハスカップですが、昨今ではより甘みの強いハスカップへの品種改良が在来種からの選抜育成などを通して進められています。
中でも先述した厚真町では品種改良に特に力を入れており、「ゆうしげ」と「あつまみらい」が甘みの強いハスカップとして有名です。
もちろん時期には生で頂くことができ、ハスカップをヨーグルトパフェにして食べるとハスカップの甘みが引き立ち美味しくなります。
ハスカップは土の質で甘さが変わる
ハスカップは土の影響を受けやすく、同じ農園でも場所によって甘さが変わることも多いと言われます。
従って、ハスカップは弱酸性の土を好みますが、土のコンディションを広大な土地で揃える工夫を農園の人たちは毎年努力して生産しているのです。
ハスカップの食べ方
ハスカップの食べ方は多岐に渡り、本記事では以下の食べ方について紹介します。
ジュース・スムージー
ハスカップはその爽やかな味わいからジュースやスムージーにしても美味しいです。
シンプルにハスカップの果汁をそのままジュースにしたものやハスカップをシロップ化して炭酸水などで割るなどの幅広い飲み方で楽しめます。
スイーツ
ハスカップは加工されることで酸味を生かしたスイーツとして数多く販売されています。
クッキーやチーズケーキにハスカップを挟んだスイーツが定番の人気お土産スイーツとなっています。
塩漬け
北海道の一部地域ではハスカップを長期保存するために塩漬けにすることもあります。
塩漬けハスカップの味は甘みの強い梅干しと似ており、抵抗無く食べやすい味となります。塩漬けのまま冷蔵庫で保管すると1ヶ月ほどハスカップの味わいが楽しめます。
ワイン
ハスカップはそのブドウのような見た目をしていることからワインを連想した方もいるでしょう。
想像通り、フルーツワインとして爽やかな酸味で口当たりが良く、多くのハスカップワインが販売されています。
ハスカップを使った有名なお菓子や飲み物
北海道は日本屈指の観光地であり、北海道の特産品であるハスカップを使用したスイーツがかなり充実しています。
本記事では、特に人気のハスカップスイーツを紹介します。
ハスカップジュエリー
ハスカップジュエリーは北海道で数多くの人気スイーツを生み出している株式会社もりもとから生まれたお菓子です。
ハスカップジャムをバタークリームとクッキーでサンドし、周りをチョコレートでコーティングしている為、ハスカップの酸味を最大限に生かしたお菓子となっています。
よいとまけ
よいとまけは苫小牧市にある株式会社三星が作っているハスカップを使用したロールカステラです。
発売から半世紀以上経っているベストセラーお菓子ですとなっており、ハスカップの酸味と甘いカステラのバランスが良く、北海道民から長年親しまれています。
北海道限定「いろはすハスカップ味」
日本人であれば日本コカ・コーラ社の「いろはす」を知らない人はほとんどいないでしょう。
いろはすはシンプルな水に加えて、様々なフルーツのフレーバーウォーターがあります。北海道では、ハスカップ味のいろはすをローカロリーで楽しむことができます。