日本人が昔から好んで食べる「お刺身」ですが、人によって魚の好みや楽しみ方をそれぞれお持ちかと思います。
但しある共通点として、「刺身は美味しい。けれども生ものだから日持ちがしないから早く食べなきゃ」と漠然と思っていて、正確な消費期限を知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。
美味しい刺身を最高のタイミングかつ長く楽しむために、本記事では刺身の消費期限や傷んだ刺身の見分け方、消費期限を延ばす方法について中心に詳しく紹介します。
刺身の消費期限は?期限切れでも食べられる?
刺身をスーパーや地元市場で手に入れた場合、通常は1日から3日程度の消費期限で設定されていることが多いです。このように刺身の消費期限は鮮度が関係する為、皆さんの中には消費期限までに食べられなかった経験を持つ方が多いのではないでしょうか?
以下では刺身の消費期限について焦点を当てて詳しく紹介します。
消費期限は1日から3日程度
実は刺身の消費期限は魚によって異なることをご存じでしょうか?
魚によっては当日中に食べる必要がある魚や1日冷蔵庫で寝かせた方が美味しくなる魚があるのです。
当日中に食べる必要がある魚
青魚は傷みやすく、食中毒を起こしやすい為、当日中に食べた方が良い魚と言われています。サバやイワシが青魚です
1日冷蔵庫に寝かせた方が良い魚
ヒラメや鯛などの白身魚は6時間から1日冷蔵保存しておくと旨味栄養素である「グルタミン酸」が増えてくる為、購入直後に食べるより寝かせた方が美味しく刺身を食べることができます。
消費期限が長い傾向がある魚
マグロやブリなど大型かつ脂を豊富にのっている魚は他の魚と比べて日持ちする傾向で、消費期限は「2日から3日」程度と言われています。
刺身の消費期限切れ1日でも大丈夫?
消費期限切れ1日の場合、青魚を除く他の魚は以下の点に気をつければ食べられます。
気をつける点
(1) 大前提として、魚が変色していたり生臭さが強くなっている場合は、食べない方が良いです。
(2) 食べる前に水でよく洗ってください。(表面の細菌や臭みを取ることが目的です。)
(3) 水で洗った後はキッチンペーパーで水気を取ってください。
(4) 更なる殺菌の手段として、酒と塩を含ませたキッチンペーパーで刺身を囲んで30分程度寝かせる。
(5) 少し食べてみて、苦みやえぐみを感じないことを確認する。
刺身の消費期限切れ2日でも食べられる?
刺身は鮮度が命なので、基本的には時間が経てばどんどん状態は悪化していきます。
賞味期限2日切れでは、食べることをおすすめしません。
どうしても食べたい場合は、上記の気をつける点を守り、更に「加熱する」ようにしましょう。
加熱により、刺身ではなくなってしまいますが、魚は天ぷらや唐揚げにすると違った美味しさへ変わるのでおすすめの食べ方となります。
刺身は消費期限と賞味期限どっち?
刺身は日持ちが悪い食べ物の為「消費期限」となります。
消費期限と賞味期限の違い
・消費期限~期限を過ぎると食べない方が良いという意味。魚、弁当、ケーキなど傷みやすい食品に表示される。
・賞味期限~美味しく食べることができる期限という意味。以下の傷みにくい食品に表示されます。
- スナック菓子
- 缶詰
- ペットボトル飲料など
参考: 農林水産省 (https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/abc2.html)
刺身の消費期限表示義務は無い
消費期限の短い刺身について、実は消費期限表示義務が無いことをご存じでしたでしょうか。
しかし、魚の市場での保存状態を考慮し食品安全の観点から、刺身には消費期限が通常表示されています。
加工食品と生鮮食品
全ての飲食品は3つに分類されます。
- 加工食品
- 生鮮食品
- 添加物
以下の定義から、刺身は生鮮食品に分類されます。
飲食品の分類定義
・加工食品~製造又は加工された飲食物
・生鮮食品~加工食品及び添加物以外の飲食物。
・添加物~食品を着色、香り付けする目的で使用されるもの。
刺身が消費期限切れで傷んだ状態の見分け方、特徴
上記で賞味期限の際の対処方法について記載しましたが、具体的な刺身の傷んだ状態の見分け方や特徴について詳しく紹介します。
異臭がする
食中毒の危険がある魚は酸っぱい臭いが出てきたりツンとするような生臭さが強くなっている為、このような臭いが出ていた場合は、即刻廃棄しましょう。
見た目に変化が起こる
見た目で刺身の傷み具合を判定する方法として「色」が重要な判断材料となります。
刺身の色が「黒っぽく」変色している場合は、傷んでいる可能性が高く、特に血合い部分が変色しやすい為、濁ったような色をしている場合はかなり傷んでいると言えるでしょう。
変な味や食感がする
腐っている刺身を食べると苦みやえぐみを感じたり、ぬめりを感じたりします。
こうなってしまうと美味しく食べるどころか食中毒の危険性がかなり高まっている証拠なので、心苦しいですがその刺身はもはや食べられないものとなってしまっています。
刺身の消費期限をのばす方法
ここまで刺身の消費期限について紹介してきましたが、「もう少し長く刺身を楽しみたい」という人もいるかと思います。
以下では刺身の消費期限を伸ばす保存方法について紹介します。
漬けにして保存
刺身は調味料に漬けておくことで若干ではあるものの、消費期限を伸ばすことができます。
通常の醤油漬けは醤油やみりんなどで味付けすることが多いですが、より殺菌作用を増幅させたいのであれば「日本酒」をさらに加える方法がおすすめです。
但し、基本的には漬けであっても消費期限を過ぎてから数日以内のできるだけ早い時期に食べきるようにしましょう。
加熱して保存
刺身は生ものなので、加熱することで精神的に安心する人も多いのではないでしょうか。
刺身は天ぷらや唐揚げにするとおいしいですが、最も手軽な方法としては食卓で多く登場する味噌汁に刺身を入れることです。普段の味噌汁に魚の旨味だしが加わることで濃厚なワンランク上の味噌汁を簡単に味わうことができます。