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「日本四大蟹」とは?4種の蟹それぞれの特徴・旬と新鮮な蟹の選び方・おすすめの調理方法

レシピ

蟹(カニ)は、日本では正月や特別な日に食べる高級食材の定番です。

蟹は淡水生・海生の2種類がおり、小さな種類から大きな種類まで様々な蟹が世界中に生息しています。

そんな蟹の中でも、日本で良く食べられている4種類の蟹・通称「日本四大蟹」をあなたはご存知でしょうか?

今記事では日本人が良く食べている「日本四大蟹」の種類・生態・旬等と、新鮮な蟹の見分け方・下処理方法・おすすめ料理をご紹介します!

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日本四大蟹とは?

日本人が良く食べている「日本四大蟹」は、タラバガニ・ズワイガニ・毛ガニ・ハナサキガニです。

実際は小型から大型まで様々な種類の蟹が食べられていますが、蟹を主役にした料理で良く食べられているものは上記の4種類です。

「日本四大蟹」以外の食用蟹

日本ではタラバガニ・ズワイガニ・毛ガニ・ハナサキガニが良く食べられていますが、上記の4種類以外にも良く食べられている蟹が幾つかあります。

下記は日本で良く食べられている「日本四大蟹」以外の蟹です。

・ワタリガニ

・タカアシガニ

・ガザミ

※今記事では、上記3種類の蟹については触れていません。

「日本四大蟹」の特徴

タラバガニ・ズワイガニ・毛ガニ・ハナサキガニが、日本で良く食べられている「日本四大蟹」です。

ここからはそれぞれの蟹の特徴と生態・旬等について、詳しくご説明します。

タラバガニとは?

タラバガニは漢字で「鱈場蟹」「多羅波蟹」と書きます。真鱈(マダラ)の漁場に生息している蟹なので、タラバガニと名付けられました。

地方によっては「たらがに」「いばらがに」とも呼ばれています。

分類は十脚目異尾下目タラバガニ科の甲殻類です。異尾下目は「ヤドカリ下目」ともいいます。

タラバガニは正確には蟹ではなく、ヤドカリの仲間です。

ヤドカリの仲間ですが「蟹の王様」とも呼ばれており、水産業でも蟹として扱われています。

タラバガニの特徴

・脚が8本(蟹の脚は10本ですが、タラバガニはヤドカリである為)

・脚が長く、甲羅と脚にトゲがある

・生きている状態(生の状態)だと、背中側は暗紫色・腹側は淡い黄色をしている

・肉食で多毛類・貝類・棘皮動物・小魚等を捕食する

・体が大きく、脚を広げると150cm以上ある個体もいる

・寿命が長く30年生きる。成体になるまで10年掛かり、甲幅(甲羅の幅)が20cm以上になるには16~17年掛かる

・成体を「タラバガニ」と呼ぶ。未成体だと「アンコ」と呼び、更に小さな幼体は「クラッカ」と呼ばれる

・オスは蟹にある交尾器がなく、メスは左右が不対称。成体になると甲羅の幅がオスで最大25cm程・メスは最大10cm程になる

・4月~6月の脱皮期に併せて繁殖する

・身は繊維質がしっかりとしており、プリプリとした弾力のある食感と独特のコク・甘味がある

タラバガニの生息地・漁獲地

タラバガニが生息している場所は、日本海側の北海道から北の海とオホーツク海・ベーリング海・カムチャッカ・北極海のアラスカ沿岸・南米のチリやアルゼンチン沿岸です。

水温が0℃~8℃、水深30m(※産卵期のみ)~350mの海底で生息しています。北に行くほど生息している場所の水深が浅くなります。

日本では北海道・鳥取県・兵庫県の順で多く水揚げされています。

上記の3都道府県で、日本のタラバガニ漁獲量のおよそ半量を占めています。

タラバガニの旬

タラバガニの旬は11月~2月の冬季です。

一方で、タラバガニは繁殖期である4月~6月は禁漁になっています。

日本では漁獲が殆ど出来なくなりますが、外国では漁獲されているので産地を気にしなければ通年に渡って食べる事は可能です。

ズワイガニとは?

ズワイガニ(楚蟹)は十脚目ケセンガニ科の蟹です。

名前の由来は脚の形が細い木の枝に似ているからであり、細い木の枝を指す古語「楚(すわえ・すはえ)」が訛ってズワイガニと呼ばれるようになりました。

当て字で「津和井蟹」と書かれる事もあります。

ズワイガニの特徴

・生きている状態(生の状態)だと全身が暗赤色をしている

・甲の部分は三角形で膨らみがある

・鉗脚(第1胸脚)と第5胸脚は短い。第2~4胸脚は長い

・オスとメスで大きさが異なり、オスの方が体が大きい。大きなオスは脚を広げると70cm程の大きさになる

・オスの甲幅は最大14cmになるが、メスの甲幅は最大7cm

・寿命は15年。成体になるまでは10年掛かる

・メスは卵を産んでから孵化するまで腹部に卵を抱えながら暮らす。卵は排卵後1年~1年半経つと孵化する

・雑食で貝類・多毛類・魚介類や海洋性哺乳類等の屍骸・脱皮した自分自身の殻も食べる(共食いをする事もある)

・雌雄と漁獲地によって名前が変わる。オスは「エチゼンガニ」「マツバガニ」「ヨシガニ」「タイザガニ」等と呼ばれ、メスは「メスガニ」「オヤガニ」「コッペガニ」「コウバコガニ」「セコガニ」「セイコガニ」「クロコガニ」等と呼ばれる

・ベニズワイガニと混同しやすいが、ベニズワイガニは近縁種で別の蟹

・身は柔らかく旨味と甘味がある。加熱すると出汁が出やすい

ズワイガニの生息地・漁獲地

ズワイガニが生息している場所は、山口県から東側の日本海・茨城県からカナダまでの太平洋東側・オホーツク海・ベーリング海です。

ズワイガニは水深50m~1200mの砂泥底に生息しています。水深200m~600mの深海に多く生息しており、水温が0℃~3℃の場所を好みます。

日本では北海道・兵庫県・鳥取県・福井県・石川県の順で水揚げ量が多いです。

ズワイガニの旬

ズワイガニは雌雄や漁獲地によって旬(漁獲可能期間)が変わります。

産卵期は6月~7月・経産期は2月~4月で、10月~翌年5月までの期間に日本各地で水揚げされます。

毛ガニとは?

毛ガニは淡水生と海生の2種類がいますが、日本四大蟹の毛ガニは海生です。

毛ガニ(毛蟹)はクリガニ科に分類される蟹です。オオクリガニ(大栗蟹)とも呼ばれています。

毛ガニの特徴

・体を覆っている殻は柔らかいが、短い剛毛が密生している(※毛ガニの名前の由来)

・オスの方が大型。全体的にずんぐりとした体形で、甲羅はわずかに縦長い円形をしている

・甲長(甲羅の長さ)は最大で120mmまで成長する

・寿命は15年。成体になるまで7~10年掛かる

・鋸の歯のようなトゲが両眼の間に4個、甲羅の側面に7個(合計11個)ある

・生きている状態(生の状態)だと全身が淡い赤褐色をしている(※大栗蟹の名前の由来)

・脚は太くて短く、トゲが付いている。挟脚(ハサミが付いている脚)は歩脚(挟脚以外の脚)よりも短い

・オスの脱皮周期は1年、メスの脱皮周期は2~3年(メスは産卵後しか脱皮出来ない)

・肉食で多毛類・貝類・他の甲殻類・小魚・イカ等を捕食する

・天敵はオオカミウオ・ミズダコ等

・13か月から16か月おきに産卵する。多くの個体は春に繁殖活動を行う

・繁殖力が低いので、乱獲されると漁獲量が回復しにくい

・可食部は少ないが身は甘味が強く、蟹味噌の量が多い

毛ガニの生息地・漁獲地

毛ガニが生息している場所は、日本海沿岸・茨城県から北のアラスカ沿岸までの太平洋・太平洋北西部とその縁海です。

日本では北海道と岩手県で多く水揚げされています。

毛ガニの旬

毛ガニもズワイガニと同じく、漁獲地によって捕れる時期が異なるので旬が決まっていません。

禁漁時期も水揚げされている地域によって変わります。1年中どこかで水揚げされているので、毛ガニは食べられない時期がありません。

ハナサキガニとは?

ハナサキガニ(花咲蟹)は、十脚目ヤドカリ下目タラバガニ科の甲殻類です。

タラバガニの仲間で、ハナサキガニも蟹では無くヤドカリの1種です。

ハナサキガニの名前の由来は、漁獲地である北海道根室市の地名「花咲」からという説が有力です。

「茹でた時に咲いた花のような鮮やかな赤色に変色するから」という名付けの説もあります。

「イソガニ(磯蟹)」と呼んでいる地域もあります。昆布が生えている海域に生息しており、昆布を食べているので「コンブガニ(昆布蟹)」とも呼ばれています。

ハナサキガニの特徴

・市場に出回りやすい個体は甲幅、甲長ともに15cm程の大きさ

・脚は10本あるが、1対(2本)は退化していて外側から見えない

・オスとメスの体の大きさは変わらない(市場に出回る個体は殆どがオス)

・甲殻類では大型だが、タラバガニよりは小さい

・甲は後部中央が少し凹んだハート形をしている

・殻全体に付いているトゲが長い。脚はタラバガニよりも太くて短い

・生きている状態(生の状態)だと背中側は赤褐色、腹側は淡い黄色をしている

・加熱すると他の蟹よりも鮮やかな赤色になる。身の表面も赤くなる

・雑食で、餌は昆布・他の甲殻類・ゴカイ・棘皮動物等

・4月下旬~7月に産卵を行い、メスが産んだ卵を1年間抱えてから海中に放出する

・値段はタラバガニより安価だが、タラバガニより生息範囲が狭いので希少

・身は独特の香りと臭みがあるが、蟹味噌を含めて味が濃厚。繊細な甘味でプリプリした食感だが、タラバガニより弾力が弱い

ハナサキガニの生息地・漁獲地

ハナサキガニが生息している場所は、ベーリング海・オホーツク海沿岸・サハリン・千島列島です。

また北海道周辺の納沙布岬から、襟裳岬付近の太平洋側と、根室半島のオホーツク海側にも生息しています。

日本では北海道の釧路と根室でのみ水揚げされています。

ハナサキガニの旬

ハナサキガニの旬は4月~9月です。

ハナサキガニの産卵期は4月~7月です。生息数が少ないので釧路沖では3月~7月の5か月間、根室では7月~9月の3か月間だけ水揚げされます。

新鮮な蟹を見分けるには?

ここまでで「日本四大蟹」それぞれの特徴をご紹介しました。

更にここからは蟹を家で美味しく楽しむ為に是非とも知っていただきたい、新鮮な蟹の見分け方と下処理方法・おすすめ料理をご紹介します。

蟹は殆どの魚介類が持っている「アニサキス菌」を持っている個体が殆どいません。

ただし全ての個体が絶対に持っていない訳では無いです。さらに古い食品は、生物であればどんなものでも危険な菌やウイルスが付着してしまいます。

食中毒を避ける為に、やはり蟹も新鮮な状態のものを選ぶようにしましょう。

新鮮な蟹の特徴

下記が新鮮かつ美味しい蟹の特徴です。

【生の場合】

・甲羅が硬く引き締まっている(脱皮して時間が経っている状態。「堅蟹」といいます)

・甲羅を指で押すと、殻が凹まずに硬い

・甲羅に傷やブツブツ(フジツボやカニビル。食べても人体には無害です)が付いている

・腹の色が黄みがかった白色をしている

・蟹の腹からほのかに独特の香りがする(香りが強い個体は身から汁が出ているので傷んでいます)

【茹で蟹の場合】

・鮮やかな真っ赤に染まっており、艶がある(赤茶色・焦げ茶色をしている蟹は古くて傷んでいます)

・甲羅が適度に湿り気を帯びている

・腹の部分が黒くなっていない

タラバガニとアブラガニは似ているから間違えやすい

タラバガニを魚市場やスーパー等で購入する時は「アブラガニ」という別の蟹と間違えないように注意しましょう。

アブラガニは「偽タラバ」と呼ばれている程に、タラバガニと見た目が似ています。

しかしタラバカニよりも淡白な味で、パサパサとした食感をしており独特の旨味や甘味もありません。

タラバガニとアブラガニは、大きな違いが2点あります。

タラバガニを買う時は、下記に挙げている違いを参考にしながら判別するようにしましょう。

タラバガニとアブラガニの違い

・甲羅中央に生えているトゲの数(タラバガニは6本、アブラガニは4本)

・脚先の裏側の色(タラバガニは赤、アブラガニは白と赤のまだら)

蟹の下処理のやり方

蟹を購入したら、食べたい料理に応じて下処理を行いましょう。

蟹の下処理方法は、下記の通りです。

(1)ゴム手袋を嵌める

(2)蟹が生きている場合は挟まれて怪我をしないように、挟脚を輪ゴム等で固定する(※魚市場等で購入する時はあらかじめ固定されている事が多いです)

(3)茹でる場合は甲を下にして水を沸騰させた鍋の中に入れる(茹で時間は300g~500gで15分程度。茹で上がったら鍋から取り出して、氷水に5分間漬けてから水気を良く拭いておく)

(4)腹側を上にして、腹にある三角形の部分(ふんどし)を取り除く

(5)腹に指を入れて、下から上に向かって甲羅を手で剝がし取る

(6)剥がした甲羅の内側に蟹味噌・卵が付いている場合は、可食部なのでスプーンを使って器の中に入れる(※タラバガニの蟹味噌は食べられません)

(7)口・ガニ(エラの部分)を手で取り除く

(8)包丁で縦半分に切る。脚の付け根を包丁または手で切り離し、脚の殻の一部を包丁で削いで取り除く(※中の身が取り出しやすくなります)

(9)生の蟹を刺身にする場合は、脚の殻を削いだ部分の上を折って身を引っ張り出す

「日本四大蟹」を使った料理まとめ

新鮮な蟹を手に入れて下処理が終わったら、美味しい蟹を調理して楽しみましょう!

下記は「日本四大蟹」それぞれを美味しく食べられる、おすすめの料理です。

タラバガニのおすすめ料理

(1)刺身

(2)焼き蟹(※網焼きにすると絶品です!)

(3)蟹鍋(〆は蟹の旨味が楽しめる雑炊がおすすめです!)

(4)蒸し蟹

(5)茹で蟹

ズワイガニのおすすめ料理

(1)刺身

(2)蟹鍋

(3)蒸し蟹

(4)味噌汁

(5)蟹飯(生またはボイルした蟹の身を、調味料と一緒に研いだ白米に混ぜて炊く炊き込みご飯です)

毛ガニのおすすめ料理

(1)味噌汁

(2)カニ酢(ボイルした蟹を醤油・みりん・砂糖・白だし等を合わせた酢に付けて食べます)

(3)茹で蟹

(4)蒸し蟹

(5)刺身に蟹味噌を付けて食べる

花咲ガニのおすすめ料理

(1)鉄砲汁(北海道の郷土料理。ハナサキガニの脚と昆布・長ネギを酒入りの水で煮込み、味噌で味付けした味噌汁)

(2)蟹鍋

(3)焼き蟹(網焼きがおすすめです)

(4)茹で蟹

(5)蒸し蟹

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