あなたは「タラの芽」という山菜をご存知でしょうか?
春になるとスーパーの野菜コーナーで生の状態が買える他、総菜コーナーでもタラの芽の天ぷらが良く売られています。
タラの芽は、天ぷらにすると美味しい山菜の定番です。しかし天ぷら以外でもタラの芽を美味しく食べられる料理は沢山あります!
今記事ではタラの芽の特徴・旬・似ている山菜との見分け方等と併せて、天ぷら以外の美味しいタラの芽料理を5品ご紹介します!
タラの芽とは
タラの芽は、ウコギ科タラノ属の植物「タラノキ」の新芽です。
数多くある山菜の中でも特に美味しいと人気があるので「山菜の王様」とも呼ばれています。
タラの芽が生える植物「タラノキ」の名前は、朝鮮語でウドを意味する「ツチタラ」が転訛したという説が有力です。
タラの芽の特徴
タラの芽には、下記の特徴があります。
・苦みが弱くて食べやすい。歯応えは少なく、もっちりとした食感をしている
・イソギンチャクのような見た目をしている
・茎の部分は緑色だが、葉の先と袴(付け根に付いている皮)は茶色もしくは紫色をしている
・「オダラ(男ダラ・オンタラ)」と「メダラ(女ダラ)」の2種類がある
・オダラのタラノキは全体的に白っぽく、枝と幹の表面にトゲがある(オダラのタラの芽も表面にトゲが付いている)
・メダラのタラノキにはトゲが無い。タラの芽もトゲがなく、オダラよりも鮮やかな緑色をしている
・メダラは品種加工で作られたもので、天然品はオダラ。ハウス品(栽培品)はメダラのタラの芽が多い
タラの芽の生産地
タラの芽は全国の山で採れますが、市場に出回るタラの芽の収穫地は山形県が最も多いです。出荷数の35%以上を山形県産が占めています。
新潟県・群馬県・福島県・秋田県・島根県・愛媛県・青森県・長野県・宮城県等も、現地で収穫したタラの芽を、卸を通してスーパー等に出荷しています。
タラの芽の旬
タラの芽の旬(天然品の収穫可能時期)は、3月下旬~6月です。
ハウス品の場合は、12月から出荷されます。
タラの芽と間違えやすい山菜
タラの芽が生えるタラノキは、基本的に山の中に自生しています。
キノコと同じように、タラの芽は見た目が良く似ている植物が幾つかあります。
下記は間違えやすい植物の代表です。
・コシアブラ
・ウルシ
それぞれの植物とタラの芽の違いは、下記の通りです。
コシアブラとタラの芽の違い
・オダラのタラノキ(※天然品はオダラです)はトゲが多い。コシアブラの木はトゲが少ない
・コシアブラの新芽は茎が長細い
・コシアブラの袴の色は緑色
・コシアブラは葉も長細く、葉の色は鮮やかな緑色をしている
余談ですがコシアブラも「山菜の女王」と呼ばれる、美味しい山菜です。
苦みが強く味に独特のクセがありますが、タラの芽と同じように天ぷら等にすると非常に美味しいです。
ウルシとタラの芽の違い
・オダラ(天然品)のタラノキにはトゲがある。ウルシにはトゲが無い
・ウルシは木や葉に触ると皮膚が被れて痒くなる
ウルシには毒があります。芽にも毒があり、別名「毒タラの芽」とも呼ばれています。
ただし、生えたばかりの新芽は食べられます。ウルシの芽を食べている地域もあります。
ですが食べられる新芽であるかの判断は難しいので、ウルシは避けた方が無難です。
ウルシの芽とタラの芽は、見た目が非常に似ています。
山菜狩り等で採取する時は、木に触らずにトゲがあるかを見てタラの芽とウルシを判断するようにしましょう。
タラの芽の下処理と保存方法
タラの芽は山で収穫する他に、スーパーや通信販売等でも手に入れられます。
タラの芽は苦みが少ないですが、山菜ですので調理前に下処理が必要です。
また山菜狩りで採ったタラの芽や通販等で売られているタラの芽は、基本的に量が多いです。
長く食べられる保存方法も、併せてご紹介します。
タラの芽の下処理方法
タラの芽の下処理は、下記の手順で行います。
(1)袴を手でむしり取る
(2)ボウルに入れた水の中にタラの芽を入れて良く洗う(天然品だと小さな虫が入っている事が多いです)
(3)付け根を2mm程、包丁で切り落とす
(4)火が通りやすいように、底の部分に一文字もしくは十字に切り込みを入れる
天然品(オダラ)のタラの芽はトゲが付いていますが、トゲごと食べられるので取り除かなくてOKです。
タラの芽の保存方法
タラの芽は、冷蔵または冷凍で保存出来ます。
冷蔵だと2~3日、冷凍の場合は3週間~1か月間まで保存可能です。
冷蔵の保存方法
(1)水を入れたボウルにタラの芽を入れて良く洗う
(2)水分を含ませた状態のまま、まとめて新聞紙で包む
(3)穴を開けたポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に入れる
冷凍の保存方法
(1)タラの芽の下処理をする
(2)塩を入れたお湯で硬めに茹でる
(3)冷水に浸して粗熱を取る
(4)キッチンペーパー等で水気を良く拭く。1つずつラップで包む
(5)保存用袋に重ならないように並べて入れる。冷凍庫に入れて保存する
天ぷら以外でも美味しい!タラの芽料理5品
ここまでタラの芽の特徴や見分け方・下処理方法・保存方法について順番にご説明しました。
ここからはタラの芽を定番料理「天ぷら」以外でも美味しく食べられる、おススメの料理方法を5品ご紹介します!
下記はタラの芽以外の山菜を使っても美味しく食べられる料理です。是非とも様々な山菜でも試してみて下さいね!
お浸し
下茹でしたタラの芽を、カツオ出汁・醤油・みりんで作った漬け汁に漬け込みます。
旨味のある出汁の味を良く吸い込んだ「お浸し」は、前菜やお酒のお供にピッタリです。
味噌汁
タラの芽を厚揚げ・白ネギ等と一緒に味噌汁の具にします。
タラの芽のもっちりとした食感が加わる事で、味噌汁が何時もと違う味わいになります。
胡麻和え
下茹でしたタラの芽を練り胡麻・醤油・砂糖で和えた「胡麻和え」も、前菜やお酒のお供にピッタリです。
子どもも食べやすいので、家族で春の味を楽しむ料理としてもおススメです。
ペペロンチーノ
茹でたパスタとニンニク・塩・ブラックペッパー・鷹の爪をフライパンで絡め炒めて作る「ペペロンチーノ」の具材に、タラの芽等の山菜はピッタリです。
ブラックペッパーを柚子胡椒に変えた「和風ペペロンチーノ」にすると、タラの芽の仄かな苦みと柚子胡椒の風味がパスタと更に良く合います。
チーズ焼き
硬めに茹でたタラの芽をトマトソースで和えてから、耐熱容器に並べて上からチーズを乗せます。
オーブントースターでチーズに焦げ目が付くまで焼くと「タラの芽のチーズ焼き」が作れます。
もっちりしたタラの芽の食感とクリーミーなチーズ・濃厚なトマトソースの味わいが一度に楽しめます。