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ハタハタの卵は強烈なインパクトでも美味!不思議なネバネバ卵と親魚の特徴・美味しい食べ方

食の知識

あなたは魚卵と聞くと、何を思い浮かべますか?

鮭の卵「イクラ」や鱈の卵「タラコ」、ニシンの卵「数の子」等が代表格ですが、食べる事が出来る魚の卵の中に「ハタハタの卵」というものがあります。

ハタハタの卵は強烈な見た目をしているので、初めて見ると驚く方が多いです。しかし味が非常に美味しいと魚卵好きの人々の間で好まれている食品です。

今記事では魚卵が好きな方に是非とも食べて頂きたい「ハタハタの卵」の特徴について、親の魚「ハタハタ」の特徴とおススメの食べ方を含めてご紹介します。

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ハタハタとは?

ハタハタの卵を産む「ハタハタ」は、スズキの仲間である中型の魚です。

「カミナリウオ」「シロハタ」とも呼ばれます。ハタハタは雷が鳴る時の擬声(バチバチ)の古語です。

ハタハタの主な特徴は、下記の通りです。

・生息地は北西太平洋(日本海・オホーツク海・千島列島・カムチャッカ半島等)
・水深0~550mまでの海底で暮らしている白身の深海魚
・夜行性。昼間は砂の中で過ごす。オキアミ類・アミ類・イカ類・魚類等を捕食する
・メスは産卵で死亡しない。オスは1歳、メスは2歳から繁殖する
・体高が高く、左右に扁平でウロコと浮き袋がない
・鰓蓋(身の末端から肛門までの部分)に5本の鋭い突起がある
・小さな歯が並んでいる大きな口が上向きに斜めに付いている
・尾ビレと胸ヒレが大きく、特に胸ヒレが大きい
・体長は20cm程の大きさにまで成長する。寿命は5年程
・秋田県の県魚。焼き魚や煮魚の他に干物・味噌漬け等に加工されて食べられている
・秋田県ではハタハタの身を使って作る魚醤「しょっつる」を使った郷土料理がある
・旬は10月~12月。身はアッサリとしており、口当たりが上品。骨から身が離れやすいので食べやすい

ハタハタの卵(ブリコ)は見た目がインパクト抜群!

秋から冬にかけて旬の時期を迎える秋田県の県魚「ハタハタ」は、その卵であるハタハタの卵も秋田県で好まれて食べられています。

ハタハタの卵は「ブリコ」と呼ばれており、インパクト抜群の見た目をしています。

ブリコは赤・黄・緑等のカラフルな色をした小さな卵が集まって、虹のような色に見える塊になっています。

少々グロテスクな見た目なので苦手な人が多いですが、卵の1個1個に弾力があるので「プチプチとした固い卵の食感がクセになる」と好む方も多いです。

独特のネバネバも特徴!

ハタハタの卵(ブリコ)は、卵がネバネバした粘り気のある液体で覆われている事も大きな特徴です。

生のブリコを箸で摘まみ上げると、多量の液体が水飴や納豆のように垂れ落ちます。

ブリコという名前の意味は「ブリブリとした食感をしている魚卵」という説が有力ですが、他の魚卵よりも粘り気が強く卵同士が離れにくい「不離子(ぶりこ)」から名付けられたともいわれています。

(※ハタハタが安価な魚である為、ハタハタの卵を高価な魚であるブリの卵だと偽ったからという説もあります)

ブリコは、新鮮であればある程にネバネバが強いです。

ネバネバの強さは卵の鮮度を見分けるポイントにもなりますので、是非とも覚えておきましょう。

味もクセが強いが濃厚!

ハタハタの卵(ブリコ)は見た目のインパクトが強烈ですが、味も非常にクセがあります。

魚卵独特の臭みが強い一方で、甘みや旨味も濃厚です。

卵に強い弾力があり、固めの食感と濃厚な味わいがクセになります。

卵はメスの身と一緒に食べられる!

ハタハタの卵(ブリコ)はそのままでも食べられますが、基本的には産卵したメスのハタハタの身と一緒に食べます。

ハタハタの旬は10月~12月ですが、ブリコの旬は1月~5月です。

1月~5月はハタハタの産卵期であり、成熟した卵がメスのハタハタの体内に詰まっています。

ハタハタのメスは腹部に卵を宿した状態で暫く過ごした後、成熟した卵を体外に排出します。

親から離れた卵は塊のまま海岸に打ち上げられますが、親の体から離れているブリコは固すぎて美味しくありません。

ブリコを美味しく食べられるのは、メスが体内に卵を宿している時です。産卵期のブリコは卵を宿しているメスごと漁獲して食べます。

(※ブリコ付きのハタハタは秋田県でのみ漁獲されています)

産卵期のハタハタ自体には栄養が余りありませんが、ハタハタの栄養は卵に移っています。

ブリコを親のハタハタと一緒に食べる事で、栄養豊富で濃厚な味わいの卵と淡白なハタハタの身の味が同時に楽しめます。

ハタハタの卵(ブリコ)を美味しく食べる!おススメ料理

ハタハタおよびハタハタの卵(ブリコ)の特徴についてご紹介しましたが、ここからはブリコとハタハタを美味しく食べられるおススメの料理をご紹介します!

ブリコは生で食べられますが、ハタハタは生で食べられません。

生食で食べる場合は、ブリコをハタハタから取り出してから調理します。

ネバネバを楽しむ!醤油漬け

ブリコを生のハタハタから取り出し、昆布だし・濃口醤油・みりん等を混ぜた調味液で1時間程漬け込みます。

強いネバネバとブチブチした固い卵の食感が、醤油が効いた調味液の味と合わさって絶品です。

ハタハタの身も、同じ調味液を使って別のバットで半日漬け込んでから焼くと「ハタハタの醤油漬け焼き」が出来上がります。

どちらも白ご飯と良く合うので、ご飯のお供におススメです。

魚と一緒に!ハタハタの塩麹焼き

腹の中にぎっしりとブリコが詰まっているメスのハタハタを、腹部を開いて内臓だけを取り出してから水気を良く拭き取ります。

塩麹をハタハタの身にまんべんなく塗ってから、ラップで1匹1匹包んで冷蔵庫で12時間漬け込みます。

塩麹で漬け込んだハタハタをフライパンで焼き上げると「ハタハタの塩麹焼き」が完成します。

加熱したブリコは粘り気が無くなりますが、ブツブツとした卵の食感をより一層味わえます。

ほんのりと甘い塩麹が、ハタハタの身と卵を一段と美味しくします。

魚と一緒に!ハタハタの味噌焼き

内臓を取り出したブリコ入りのハタハタを、合わせ味噌・みりん・砂糖・酒を混ざた味噌ダレに12時間漬け込みます。

フライパンで焼き上げると「ハタハタの味噌焼き」が出来上がります。

こちらも白ご飯と相性が抜群です。お酒のおつまみにもピッタリです。

魚と一緒に!ハタハタの煮付け

内臓を取り除いたブリコ入りのハタハタを、生姜・水・濃口醤油・酒・みりん・砂糖で煮込みます。

生姜が卵の独特の味をやわらげるので、ブリコを初めて食べる方も食べやすいです。

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