ダイエットや健康効果があるといわれる烏龍茶。糖分が入っていないので、無制限に飲んでいるという方も多いのではないでしょうか。
でも検索してみると、「ヤバイ」「危険」など穏やかでないワードがでてきます。常飲すると体に悪いのではないかと気になってしまいますよね。
そこで本記事では、烏龍茶の成分や、過剰摂取によるデメリット、健康効果などを解説します。烏龍茶をより健康的に楽しむために、ぜひ参考にしてくださいね。
烏龍茶とは
烏龍茶(ウーロン茶)は中国茶の一種です。
日本でもペットボトル入り飲料としておなじみですよね。
茶葉が烏のような黒色(黒褐色)で、龍のように曲がりくねった形であることが名前の由来といわれています。実は、緑茶・紅茶・烏龍茶は同じ茶葉からできているんですよ。
違いは発酵の度合い
「チャノキ」の葉には酸化酵素が含まれていて、微生物を介さずに発酵(酸化)させることができます。収穫した茶葉は、発酵の度合いにより違う種類のお茶になります。
- 完全発酵➡紅茶
- 半発酵➡烏龍茶
- 不発酵➡緑茶
発酵が進むにつれ、タンニンが酸化して赤くなっていき、完全発酵させたものが紅茶です。緑茶は、茶葉の発酵を加熱することにより止めた不発酵茶です。
烏龍茶に含まれる成分
烏龍茶に含まれる成分と、摂取量について解説します。
カフェイン含有量
緑茶、紅茶、烏龍茶などにはカフェインが含まれ、その覚醒作用により気分がすっきりしたり、集中力アップなどの効果があります。
まずは、飲料に含まれるカフェインの量を見てみましょう。
【100ml当たりのカフェイン含有量】
食品名 | 含有量 |
コーヒー | 60 mg |
玉露 | 160 mg |
紅茶 | 30 mg |
せん茶 | 20 mg |
ウーロン茶 | 20 mg |
烏龍茶には、コーヒーの3分の1、せん茶と同程度のカフェインが含まれているんですね。
ウーロン茶ポリフェノール
「ウーロン茶ポリフェノール」は、茶葉が半発酵する過程でできる、ウーロン茶特有の成分です。
ウーロン茶ポリフェノールには
- 脂肪分解
- 脂肪吸収を抑える
- 脂肪を体外に排出
などの効果があるとされています。脂っこい料理と一緒に飲むには、最適のお茶といえるでしょう。
ウーロン茶ポリフェノールを強化した烏龍茶も販売されています。
サントリー「黒烏龍茶」
一日に飲める量
前述したように、烏龍茶にはカフェインが含まれているので、過剰摂取には注意しましょう。
欧州食品安全機関関 (EFSA)による「健康な成人のカフェイン摂取目安量」では、1日あたり400mg未満としています。(500mlのペットボトル入り烏龍茶に含まれるカフェインは、1本あたり100ml)
以下のポイントを参考に、楽しんでくださいね。
- 1度に飲む量はコップ1~2杯程度
- 1日2~4杯程度を目安に
- 食事中や食後に飲む(空腹時は控える)
カフェインが消化器官を刺激するため、食事中や食後に飲むとよいでしょう。
身体を冷やす作用があるので、ホットで飲むのがおすすめです。
注意したいのは、妊婦さんと子ども
以下の方は、飲む量に注意しましょう。
- 妊娠中の方
- 授乳中の方
- 成長期のお子さま
- カフェインに敏感な方
世界保健機構(WHO)の「妊婦のカフェイン摂取に関する勧告」(2016年)では、1日300㎎以上のカフェイン摂取は、出生の低体重、流産や死産のリスクが高める可能性があるとしています。
またカフェインは、子どもが大量摂取すると、脳や体調、発育に影響する可能性があるともいわれています。カナダ保健省では、4~6歳児のカフェイン摂取量は、1日に45mg未満に制限することを推奨しています。
水がわりに飲むのなら、ノンカフェインの麦茶がおすすめです。
烏龍茶飲みすぎのデメリット
主にカフェインの影響で、ウーロン茶を飲みすぎると、体調が悪くなってしまうことがあります。以下、過剰摂取のデメリットをまとめました。
消化器官の不調
ウーロン茶に含まれる「カフェイン」は胃腸への刺激が強いので、
下痢・胃痛・腹痛・便秘
などの症状が出ることがあります。
太りやすくなる
下痢が続くと、体の防衛反応でかえって太りやすくなることもあるので、飲みすぎには注意しましょう。
また、冷たい烏龍茶を飲みすぎると体が冷え、基礎代謝が低下することにより、太りやすくなることがあります。
貧血
飲みすぎにより貧血となるリスクがありますので、注意しましょう。主な原因は以下のとおりです。
- カフェインの利尿・血管収縮作用による、体内のビタミン・ミネラルの過剰排出
- タンニンによる、鉄分吸収率の低下
のどの違和感
烏龍茶に含まれるポリフェノールには、油分を分解する働きがありますが、飲みすぎによりのどに必要な油分まで奪ってしまう恐れがあります。
のどがイガイガするのは、このようなポリフェノールの働きが原因と考えられます。声帯周辺の油分まで洗い流してしまうので、声楽家などのどを使う職業の方は、避けた方がよい飲み物とされているようです。
トイレが近くなる
ウーロン茶を飲みすぎるとトイレが近くなるので、注意しましょう。
これもカフェインによる利尿作用によるものです。
不眠
覚醒効果のあるカフェインの影響で、寝る前にウーロン茶を飲むと眠れなくなることがあります。
飲むのは夕方ぐらいまでにしておくとよいですね。
烏龍茶の健康効果
烏龍茶は飲みすぎや飲む時間に気を付ければ、健康効果が期待できます。以下、烏龍茶を飲むメリットについて解説します。
ダイエット効果
カフェインの脂肪燃焼効果や、ウーロン茶ポリフェノールの脂質の分解・排出作用により、ダイエット効果が期待できます。
生活習慣病の予防
ウーロン茶ポリフェノールにより、脂質の分解や排出作用があるため、動脈硬化など生活習慣病の改善や予防が期待できます。
2型糖尿病のリスクを減らすという研究結果も報告されています。
美肌効果
ウーロン茶ポリフェノールには、活性酸素※を除去する効果があります。
- 過剰な活性酸素を減らすことにより、美肌効果やアンチエイジング効果
- 体内の余分な脂の排出により、ニキビ予防・脂性肌の改善
などが期待できます。
むくみ解消
ウーロン茶のカフェインの利尿作用により体内の水分が排出され、むくみの解消につながります。
二日酔い対策にもよいですよ。
虫歯の予防
ウーロン茶に含まれるカテキンやポリフェノールには、虫歯の原因菌の活性を抑えるはたらきがあるため、虫歯予防が期待できます。
ただしタンニンは、歯の表面に色素沈着を起こし黄ばみの原因になるので、歯のケアは必要です。
まとめ
烏龍茶の健康効果やデメリットを解説しました。
烏龍茶は基本的には安全な飲み物ですが、気を付けたいのは「カフェイン」です。コーヒーに比べればカフェイン含有量は少ないものの、妊婦さんやお子さまは過剰摂取に注意しましょう。
烏龍茶以外にも、コーヒー・紅茶飲料をはじめ、エナジードリンク、一部の炭酸飲料などカフェインを含んでいる飲み物は多くあり、気付かないうちに過剰摂取していることがあります。
気分が悪くなったり、心拍数が増加するようなことがあったら、カフェインを取りすぎていないか疑ってみるとよいですね。もし過剰摂取の可能性があれば、カフェインを含まない麦茶や水などを代わりに飲むようにしましょう。