「鉄玉子」と呼ばれる調理小物を、皆さんは御存じでしょうか。
知る人ぞ知る、手軽に鉄分補給ができる優れもの。メディアでも時々紹介されますが、そのたびに品薄状態になる人気商品です。
私も6年前から、毎朝お湯を沸かすときに使っています。慣れてしまえば使い方は簡単です。本記事では、鉄玉子の魅力や気になる危険性などを詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
鉄玉子って何?
「鉄玉子」は、岩手県の伝統工芸品・「南部鉄器」で作られている卵型の調理小物です。
南部鉄器の調理器具は鉄分補給に効果的ですが、重くて値段が高いなどのデメリットがあり、ステンレスやアルミ鍋におされ、売り上げが低迷した時期がありました。
そこで、「ステンレスやアルミの鍋に鉄を入れて煮出すことで、鉄分補給ができないか」という発想で開発されたのが「鉄玉子」です。
鉄玉子の危険性は?
鉄玉子を使用するにあたり
- サビが体に悪いのでは?
- 鉄分の取りすぎにならないの?
という心配をお持ちの方が多いのではないでしょうか。結論から申し上げると、毎日使っても体に悪い影響はありません。
以下、鉄玉子の安全性について解説します。
サビについて
鉄玉子はぬれたままにしておくと、サビが発生することがあります。
南部鉄器のサイトによると、鉄さびは健康に害がないということです。長年、使い続けられてきた南部鉄器ですから、心配することはないでしょう。
お手入れの方法については後述します。
鉄分を取りすぎるのでは?
鉄玉子で鉄分の過剰摂取にならないかも心配ですよね。鉄玉子でとれる鉄分は過剰摂取が起こりにくい「ヘム鉄※(二価鉄)」で、鉄玉子から溶出する量では過剰摂取や副作用の心配はありません。
- 赤身肉、レバー、魚などに多く含まれる
- 非ヘム鉄の5~6倍吸収率が高い
- 非ヘム鉄に比べ、胃腸障害が起こりにくく、過剰摂取が起こりにくい
- 野菜、牛乳、卵、海藻類などに多く含まれる
- 体内での吸収率が低い
- 吸収する際に、胃腸障害が起こりやすい
鉄玉子の鉄溶出量
鉄玉子の鉄溶出量を見てみましょう。「ザ・鉄玉子」を1個入れたやかんで、1Lの水を沸かした際に流れ出る鉄分は、以下のとおりです。
- 沸騰時/0.042mg
- 3分後/0.050mg
- 10分後/0.069mg
参考:Shinwadenki公式サイト「鉄溶出試験結果」(岩手大学教育学部 及川桂子教授 測定)
一方、成人の鉄の1日の摂取量の目安は以下のとおりとなっています。
【成人(20~49歳)の1日当たりの鉄摂取推奨量】
成人男性 | 7.5㎎ |
成人女性(月経あり) | 10.5㎎ |
成人女性(月経なし) | 6.5㎎ |
鉄玉子のお湯に溶けだす鉄分量と比べると、過剰摂取の心配はなさそうですね
鉄玉子の健康効果口コミ
私は鉄玉子を使い始めてから
- 疲れにくくなった
- 血液検査の貧血項目で引っかからなくなった
といった変化がありました。
他の方は、どのような感想をお持ちなのでしょうか。鉄玉子を実際に購入した方の口コミを見てみましょう。
家に来る訪問看護婦さんに勧められた。すぐに届き、やかんに入れて水を入れて煮立たせるとそれをポットに入れて白湯を飲むようにしたら、とても体調がよくなった。以前は60才を過ぎて、昼間などについウトウトと寝落ちしたり、貧血気味と市の無料診断で言われたりしたが、この白湯を飲むことで眠くなることも減った。元気も出てきて、便秘も解消されている。身体の隅々まで血が行きわたって調子がいい。いいものを買ったと思う
手術後、貧血気味で鉄玉子を
購入しました、毎日、ヤカンに入れて飲んでます、結果
貧血が良くなってきました。
毎日お湯を沸かす際にやかんに入れていますが、立ちくらみがほとんどなくなりました。鉄不足の人にはおすすめです。朝ケトルに入れてお湯を沸かして飲んでいます。
貧血で鉄剤を飲んでいたのをやめて鉄玉子使用。
1ヶ月後病院で血を調べると貧血が改善されていました。引用元:amazonカスタマレビュー
口コミによると医療従事者も勧めていて、血液検査値の改善がみられる方もいるようですね。
鉄玉子の使い方は?
鉄玉子の使い方は簡単。お湯に入れて沸かすだけです。電気ケトルでも使用できます。
お湯を沸かす以外にも、以下のような使用方法があります。
- ご飯を炊くときに炊飯器にいれる
- 味噌汁や鍋物等に入れる
- 茄子漬の色だし(きれいな色に仕上がる)
- 黒豆の煮物(色が美しく仕上がる)
- 貝の砂出し(早くきれいに砂をはく)
こちらは、くまの形の鉄玉子です。
急いでいる時は、助かります。
お湯を沸かしたときに油が浮くのが気になる方は、湯沸かし用とお料理用を分けるのがおすすめです。
使用の際の注意点
鉄玉子は使用する際は、以下の点に注意しましょう。
錆びやすい
鉄玉子を水に入れっぱなしにしたり、ぬれたまま放置するとサビが発生することがあります。お湯を沸かす際に、やかんや鍋の底にサビがつくことも。
- 使用後は熱いうちに取り出す(長時間、お湯やお茶に入れっぱなしにしない)
- 余熱でしっかりと乾かす
〈付着したものがある場合〉
- お湯でよく洗い流す
- 水分を完全にふき取る
とにかく使い終わったら、しっかりと乾燥させることが大切です。
お湯を沸かす時だけに使用すれば、とりだして自然乾燥だけなので手間がかかりません。
私は多めにお湯を沸かして、調理にも使っています。
サビが気になったら
鉄さびが気になったら、たわしで擦って落としてから使いましょう。また、煎茶と一緒に30分くらい煮出すと、お茶のタンニンが反応してサビが気にならなくなります。
重くて熱くなる
鉄玉子は鉄の塊ですから重いです。お湯を沸かす際には、水の状態から「そーっと」入れるようにしましょう。
お湯が熱くなってから入れると
- 熱湯がはねる
- 鍋やケトルの底に勢いよく当たって傷ができる
など思わぬトラブルが発生することがありますので注意してくださいね。特にフッ素加工の鍋やケトルは傷つけないように気をつけましょう。
また、取り出す際は重いので、お箸だとつかみにくくて危険です。トングや穴あきお玉などを使いましょう。
鉄玉子はどこで買える?
鉄玉子の主な販売店舗は以下のとおりです。合羽橋のお店や、うつわ屋などに置いてある場合もあります。
- 東急ハンズ
- ロフト
- ホームセンター
- ヨドバシカメラ など
卵型以外にも様々な形の商品が販売されていますが、南部鉄器のものを選ぶのが安心です。ネットでも購入できますよ。
鉄玉子は一生モノ
南部鉄器の鉄玉子は、とにかく丈夫で長持ちします。大切に使えばお子さまやお孫さんの代まで使うことも可能です。
使い込むほどに、味わいが出てきますよ。
まとめ
鉄玉子の使い方や健康効果について解説しました。
鉄分の過剰摂取など体に悪いことはないので、安心して使ってくださいね。重くて、熱くなりますので、
- 鍋に入れる時
- 取り出す時
は、優しく慎重に扱いましょう。元気な毎日のために、鉄玉子をぜひ取り入れてみてくださいね。