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椎茸とマッシュルームの栄養価を検証:どちらが栄養豊富?

野菜が体に良いのは常識ですが、キノコの有用性について十分に理解している人はそう多くないでしょう。食用され始めた詳細な時期は分かっていませんが、中世から近世ごろには栽培が始まっていたようです。キノコが人々を魅了した要因とはなんだったのでしょうか。

この記事では数ある食用キノコの中から和食材として椎茸を、洋食材としてマッシュルームをピックアップし、それぞれの魅力をお伝えしていきます。

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椎茸とマッシュルームのビタミンミネラル比較表

下記表は椎茸、マッシュルーム共に30gとして計算しています。カロリー、三大栄養素はほぼないに等しいので載せていません。

椎茸は1個で約30g、マッシュルームは3個で約30gです。

椎茸 マッシュルーム
ビタミンD 0.63μg 0.18μg
ビタミンB1 0.03mg 0.02mg
ビタミンB2 0.06mg 0.09mg
ナイアシン 1.14mg 0.9mg
ビタミンB6 0.03mg 0.03mg
葉酸 12.6μg 8.4μg
パントテン酸 0.32mg 0.46mg
ビオチン 2.01μg 3.18μg
ビタミンC 3mg 0.3mg
【ミネラル】
ナトリウム 0.6mg 1.8mg
カリウム 84mg 105mg
カルシウム 0.9mg 0.9mg
マグネシウム 4.2mg 3mg
リン 21.9mg 30mg
0.09mg 0.09mg
亜鉛 0.12mg 0.12mg
0.02mg 0.1mg
マンガン 0.07mg 0.01mg
セレン 1.2μg 0.3μg
クロム 0.3μg 4.2μg
モリブデン 0.9μg 0.6μg
食物繊維 総量 1.05g 0.6g

 

 

椎茸はビタミンD、ナイアシンが豊富

ビタミンDは

  • カルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にする
  • 筋肉を動かす
  • 神経情報を伝達する
  • 免疫機能を高める

といった役割を担っており、私たち人間が健康に生きるためになくてはならない栄養素です。欠乏すると骨が形成不全を起こすため小児では成長障害、高齢者では骨粗鬆症の発症リスクが高まります。

椎茸30gあたりの含有量は1日に摂取したい目安量の7%ほどではありますが、天然の食品のうちビタミンDを含むものはごくわずかであることを考えると、椎茸はその価値を軽視されるべきでない食品であるといえます。

一方ナイアシンはビタミンDとは異なり、数多くの食材に含まれています。そのため一般的な内容の食生活を送っている人は欠乏の心配がほとんどありません。しかし

  • エネルギー産生
  • 糖質・脂質・タンパク質の代謝
  • 肪酸やステロイドホルモンの生合成、DNAの修復や合成
  • アルコールの代謝

など幅広い目的に利用されているため、毎日欠かすことなく摂取したい栄養素です。

 

参照元:https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/10.html

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マッシュルームはセレン、銅が豊富

セレンは1975年にヒトへの必須性が認められた希少必須ミネラルです。体内では

  • 甲状腺ホルモンを活性化させる
  • 抗酸化作用で組織細胞の酸化を防ぐ
  • 水銀などの有害物質を無毒化
  • 血栓症を予防する

といった役割を担っています。

欠乏すると心筋障害による心不全四肢の筋肉痛や筋力低下などが起こり、逆に過剰に摂取すると脱毛、爪の変形、嘔吐や下痢、頭痛やしびれ、神経過敏といった症状が見られることがあります。日本の土壌はセレンが豊富に含まれており無理なく摂取できるため、一般的な食生活を送っている中で欠乏症を起こすことはほとんどなく、また過剰摂取の心配もありません。

また銅と聞くと金属を思い浮かべがちですが、栄養素として人体中にもミネラルとして存在しており

  • 貧血や動脈硬化を予防
  • 免疫力を高める
  • エネルギーや神経伝達物質の生産

といった作用があります。こちらもセレンと同様に、普通の食生活を送っている人なら欠乏や過剰摂取の心配はありません。

参照元:https://ja.wikipedia.org/wiki/セレン

セレン|栄養素カレッジ|大塚製薬
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いろんな食品をバランスよく食べることが重要

先述したように、椎茸やマッシュルームには人間に必要な栄養素がすべて含まれているわけではありません。比較的多く含まれているビタミンDやナイアシン、セレン、銅も、一日に摂取したい目安量と比較すればとても多いとは言えません。

人間は雑食性の生き物ですから、肉や魚、野菜、キノコ、木の実、果物、豆、穀物といったさまざまな種類の食物を食べ、消化・吸収することができます。逆に言えば、あらゆる種類の食物を摂取しないと健康を保つために必要な栄養素を獲得できないのです。

ですから、食材それぞれに含まれる栄養素について正しい知識を身に着けておくことが、バランスの取れた食生活を実現するための第一歩です。

参照元:https://onl.sc/LqE6HM6

椎茸特有の健康効果

椎茸といえば、好き嫌いが大きく分かれる食材のひとつです。あの独特な香りが受け付けない、という声をよく耳にします。

椎茸の香り成分の正体はβグルカンという食物繊維の一種で、名前をレンチナンといいます。このレンチナンには免疫力の向上と抗がん作用が期待されており、実際にしいたけから抽出されたレンチナンは抗がん剤として使用されていた過去があります。

参照元:https://onl.sc/MuAxyvm

マッシュルーム特有の健康効果

一般的に、日本で流通している食用キノコのほとんどは加熱調理してから食べることが推奨されています。

仮に生食した場合、椎茸ならしいたけ皮膚炎と呼ばれる湿疹が発生し、エノキタケなら溶血作用を持つフラムトキシンというたんぱく質によって、貧血や重篤な中毒症状が引き起こされます。アメリカでは2002年にエノキの生食による死亡事例も発生しました。

また生育環境によってはリステリア菌に汚染されている可能性もあり、食中毒の可能性が否定できません。

しかしマッシュルームだけは他の食用キノコと異なり、生食することができます。

新鮮なものに限りますが、人体に有害なたんぱく質や菌の心配がなく、安心して生食できる唯一のキノコなのです。

加熱したキノコにはない生マッシュルーム特有の食感をぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。

参照元:https://onl.sc/jjETQzR

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マッシュルーム - Wikipedia

椎茸やマッシュルームに不足する栄養をこの野菜で補おう

椎茸に含まれる栄養素のうち、一日に摂取したい目安量に対して最も不足しているのはクロムというミネラルです。欠乏すると体重減少、錯乱、協調運動障害を引き起こすほか、糖尿病の発症リスクが上昇します。クロムは幅広い食材に含まれていますが、中でも以下の

  • 干しひじき
  • さつまいも
  • ほうれん草
  • 豚肉
  • あさり

などは特にクロムを豊富に含んでいます。

一方でマッシュルームに乏しいのはビタミンCです。欠乏すると壊血病、肌荒れ、皮下出血、骨形成不全、貧血などを引き起こします。ビタミンCもクロム同様に多種多様な食材に含まれていますが、中でも

  • 柑橘類
  • アセロラ
  • キウイフルーツ
  • トマト

といった果実類は特にビタミンCを多く含んでいます。

 

まとめ

肉や魚、野菜などと比べるとその価値を軽んじられがちなキノコですが、今回ご紹介したように意外な特徴や強みがあります。

同時に、特定の栄養素に乏しい、食べる際には注意を要するなどといった弱みも存在しています。

椎茸やマッシュルームに限らず、あらゆる食品には摂取する上でのメリットだけでなく注意すべきポイントがあります。正しい知識を身に付け適切に利用することで、健康で質の高い生活を送りましょう。

 

 

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