回鍋肉や麻婆豆腐を作るときに出番の甜麺醤は、中国北部で生まれた甘味噌です。
甜麺醤の「甜」=甘い、「麺」=小麦粉、「醬」=みそ。日本の味噌は大豆からできたものが多いですが、甜麺醤は小麦、塩、麹からできています。色は茶褐色で赤味噌のよう。
甜麺醤は軟らかくどろっとしていて、日本の味噌に比べ塩気が少ないです。
甜麺醤がないときの代用方法
ところでこの甜麺醤、「家にあるよ」という人はどれほどいるでしょうか?
美味しい合わせ調味料が各メーカーから色々でているので、「素で作っちゃう」という人には用がないかもしれません。
買っても使い切らないうちに賞味期限が切れてしまいそう。
作ろうと思うレシピに「甜麺醤」と書いてあると買わなきゃならないと思う気持ちはわかるのですが、そんな時は家にある調味料で代用できるものがあるか考えてみると良いです。
以下に甜麺醤の代用方法をまとめます
味噌+醤油+砂糖+ごま油
例えば、必ずといっていい程どこの家にもある味噌。
味噌、醤油、砂糖を弱火にかけ、仕上げにごま油を加えれば甜麺醤に近いものができます。
おすすめは八丁味噌ですが、なくても醤油、砂糖、ごま油で量を調整すれば大丈夫。DELISH KITCHENで見つけたレシピは下記の通りです。
八丁味噌・・・味噌(大さじ1)、醤油・砂糖(各小さじ1/4)、ごま油(小さじ1/4)
赤味噌(辛口)・・・味噌(大さじ1)、醤油・砂糖(各小さじ1/2)、ごま油(1滴)
赤味噌(甘口)・・・味噌(大さじ1)、醤油(小さじ1/4)、砂糖(小さじ1/8)、ごま油(小さじ1/4)
普段使用している味噌・・・味噌(大さじ1)、醤油(小さじ1/2)砂糖(小さじ1/4)、ごま油(小さじ1/2)
豆板醤+醤油+砂糖+ごま油
四川発祥の豆板醤でも代用がききます。豆板醤も中華料理に欠かせない調味料ではありますが、甜麺醤同様、家にある人ばかりではなさそうです。
甜麺醤が甘味噌なのに対し、豆板醤はそら豆と唐辛子が主原料のピリ辛発酵調味料。
豆板醤で代用する場合には豆板醤(大さじ1)、醤油(小さじ1)、砂糖(小さじ1・1/2)、ごま油(1滴)。辛口を甘口にするには砂糖が多く必要です。
コチュジャン
コチュジャンは、米ともち米麹に唐辛子の粉を加え発酵させた赤褐色の調味料です。
韓国料理でおなじみのヤンニョムチキン、ビビンバ、ズンドゥブなどに使います。コチュジャンの「コチュ」は唐辛子のこと。
簡単に言うとコチュジャンは甜麺醤に唐辛子を加えて辛くしたものって覚えていればいいですよ。
甜麺醤は甘口の味噌ダレ、コチュジャンは甘辛味噌ダレってイメージ。
見た目が甜麺醤に似ていて、代用することも可能。
配合はコチュジャン(大さじ1)に砂糖(小さじ1)です。
コチュジャンが辛すぎる場合は砂糖を多めに入れてあげることで甜麺醤に味わいを近づけられます。
八丁味噌
八丁味噌って何?そんなの持ってないよって声が聞こえそうですが簡単に言うと色が濃い味噌のこと。赤味噌ですね。甜麺醤もだいぶ濃い色をしてますよね?熟成された味噌を使って作っているのが甜麺醤なのですね。
この八丁味噌に醤油とみりんを合わせて煮詰めると、それっぽい味になります。でもこれって要は手作り甜麺醤とほぼ一緒ですよね。八丁味噌のみはダメです。
オイスターソース
家にコチュジャンも八丁味噌もない人はオイスターソースを使いましょう。オイスターソースもないって人はさすがに諦めて手作り甜麺醤を作りましょう。
甜麺醤とオイスターソースは、どちらも中華料理やアジア料理でよく使用される調味料ですが、味と風味にはいくつかの違いがあります。
甜麺醤は甘みのある味わいが特徴です。甘みは砂糖によるもので、濃厚でまろやかな風味を持っています。
一方、オイスターソースは、主にオイスター(カキ)のエキスをベースにして作られます。そのため、濃い目の塩味とコクがあり、海の風味も感じられます。色は濃い茶色で、甜麺醤に比べると少し塩味が強く感じられることがあります。
甜麺醤とオイスターソースは、どちらも料理に奥行きと深みを与えることができる調味料ですが、甜麺醤は甘みが強く、オイスターソースは塩味とコクが強いという違いがあります。料理の風味や味わいのバランスに合わせて使い分けることが重要です。
焼き肉のタレで代用
焼肉のタレに甘さをプラスすることで、甜麺醤のような風味を楽しむことができます。
焼肉のタレに砂糖を加える
甜麺醤の代わりになるほど甘くはありませんが、焼肉のタレに少量の砂糖を加えることで甘さをプラスすることができます。
フルーツのピューレを加える
焼肉のタレにフルーツのピューレ(例:リンゴ、ナシ、パイナップルなど)を加えることで、甜麺醤のようなフルーティーな甘さを演出することができます。
甜麺醤がないとき代用調味料を使うときの押さえておきたいポイント
代用調味料で甜麺醤を自家製した場合には、気をつけなければならないことがあります。主な注意点は下記の3つです。
- 食材のつけダレにする際は加熱する
- 味をみながら調味料を足す
- 消費期限は当日限り
つけダレにする時は加熱する
家で作ることはほとんどないかもしれませんが、北京ダックのようにつけて食べる場合には事前に加熱が必要です。
冷蔵庫から出てきた味噌は特に練が硬いので、醤油、砂糖、ごま油と混ぜ合わせるのは困難です。
その点、小鍋などで調味料に熱を通せばなじみが速く香りもいい。
ちなみに、炒め物などこれから火を通すものは、事前に加熱しておく必要はありません。「○○醤(ジャン)」と名のつく発酵調味料は、加熱するとより香りが引き立つものだそうです。
味をみながら調味料を追加する
日本の味噌は甜麺醤に比べると塩気が強いものばかり。
そこへ醤油を足すわけですから、しょっぱくなりがち。ベースに使う味噌によっても塩加減が違うので、特に醤油を加えるときはいきなりレシピに書かれている量を入れては駄目!
少量ずつ味をみながら慎重におこなう必要があります。
消費期限は当日限り
甜麺醤以外のものにも言えることですが、調味料を合わせて作った自家製は菌が繁殖しやすいため早く食べきりましょう。
消費期限は当日限り。
その都度必要な量だけ作るのがベター。作り置きはおすすめできません。
甜麺醤を使った定番料理
担々麺
甜麺醤を使った辛味のある担々麺。鶏肉や豆板醤と組み合わせて作ることが一般的です。
ジャージャー麺
甜麺醤を主成分とした具材と麺の組み合わせで、中華料理店でよく見かける料理です。
焼きそば
甜麺醤を使って焼きそばを作ることもあります。野菜や肉と一緒に炒め、麺に絡めます。
煮込みうどん
うどんを鍋で煮込み、甜麺醤で味付けする料理です。具材や調味料を加えてアレンジすることもできます。
甜麺醤炒飯
ご飯を甜麺醤で炒める中華風炒飯です。具材と一緒に炒め、香ばしく仕上げます。
麻婆豆腐
甜麺醤を使って作る麻婆豆腐は、甘みと辛みが絶妙なバランスの中華料理です。
麻辣鍋
甜麺醤を使って作る麻辣鍋は、辛さと甘みが絶妙なスープで具材を煮込む中華鍋料理です。
回鍋肉
「回鍋肉」を作るときに手軽に使ってしまうのが、味の素Cook Doシリーズの「回鍋肉」なのですが、3~4人用のため5人家族の我が家は1箱では足りません。
かといって2箱では少し多いような…。箱の裏側に書いてある材料は下記の通りです。
【材料】 https://www.ajinomoto.co.jp/cookdo/lineup/awase_009.html
豚バラ薄切り(200g)、キャベツ(300g)、ピーマン(中2個)、長ねぎ(中1/2本)
なので、材料を3~4人分から食欲旺盛な5人用に増やします。
【材料】
豚バラ薄切り(300g)、キャベツ(500g)、ピーマン(中3個)、長ねぎ(1本)
そして調味料として
甜麺醤(大さじ1)、おろし生姜・ニンニク(味に少しパンチをつけるため)、砂糖(少し甘口の方が好きなので…)
を追加して作っています。
オススメの甜麺醤
↓アマゾンでの評価が高く、無添加のオススメ甜麺醤
↓定番の甜麺醤ですが添加物がたくさん入っていて不自然な風味がするのでお勧めしません
まとめ
本来の甜麺醤は小麦粉と麹を発酵させて作られたもの。
しかし日本で流通している甜麺醤は日本人好みの味に作られていて、赤味噌ベースのものが多いようです。
炒め物以外にも生野菜につけても美味しく、和食の隠し味として使うとワンランク上の仕上がりになるのだとか。
購入の際には調理法でメーカーを選ぶのも手。中華料理にコクや深みを出すなら、中華専門メーカー李錦記、ユウキ。和食の隠し味なら日本のメーカーS&B(李錦記)、味の素(Cook Do)。
香りや香ばしさを求めるならテーオー(ピーナッツペースト入り)、李錦記(ごま入り)。初心者や手軽に使いたい人には少量チューブ入りもあります。
でも、赤味噌がベースで醤油、砂糖、ごま油で甜麺醤の代用がきくなんて知ると、目から鱗が落ちますよね。
使う頻度が少ないなら家にある調味料で代用した方がコスパがいいかもしれません。
家の甜麺醤も「そろそろ買わなきゃ」と思っていたのですが、慌てなくてもよさそうです